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    cyadaifuku

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    cyadaifuku

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    初参加です。拙い文章ですがいおやまが好きな気持ちには変わりはないので!
    書くのってやっぱり難しい…
    大和視点

    いたずらから始まる#



    「つっかれた〜………」

     寝る準備を済ませた俺は、ぼふんとベッドにダイブして脱力する。ここ数日のスケジュールはというと、ドラマの撮影、番宣、インタビュー、新曲のレコーディングなどなどそれはもう目まぐるしかった。それだけでも堪えるのに、恋人であるイチも地方でのロケで5日間は会っていない。予定では明日の朝には帰ってくるから、『やっと明日会える。踏ん張れ俺』と自分に言い聞かせて今日まで何とか乗り越えたのだ。けれど、疲れ切った身体はどうしても恋人の温もりを欲していて。
     枕に顔を押し付けてなんとかしてこの気持ちを抑え込んで寝てしまおうとしたが、反対に俺の脳みそはちょっとした[いたずら]を思いつく。顔を上げないでガサガサと右手を動かし、ベッドの上に放って置いたスマホを探す。指先にこつりと当たったスマホを握り、ロックを解除しラビチャを開いた。
    最近タマにラビチャで送信取り消しの方法を教えてもらった。それをすれば何を送っても相手からは『メッセージの送信を取り消しました』とだけしか見えない。なんて便利な機能なんだろう。それを使えばイチが俺とのトークルームを開いたときに何を送ったのか気になって、俺のことを少しでも考えてくれるかもしれない。なんて女々しい考えに自分で笑えてくるけど。ちょっと実践も兼ねてってことで、スマホをフリックして文字を打っていく。


    大和 : [イチ]
       [すき]
       [会いたい]
       [ハグしたい]
       [キスしたい]
       [イチ]
       [だいすき]

     ぽこぽこといつもは恥ずかしくて言えないような心の声をラビチャに打って、既読が付かないうちにメッセージを長押しをして画面から消す。電源を落とし、ふぅと一息ついて仰向けになり布団を肩までかけると、幾分か心が温まった気がして直ぐに眠気が襲ってきた。

    (明日はオフだから思う存分ぐうたらして、いつものようにイチが注意しにくるんだろうな…そしたら、頭でも撫でて、イチの好きな、パンケーキでも、つくって、甘やかして、やろ………)

     この[いたずら]が次の日、どうなるのかも俺は知るはずもなくそのまま眠りに落ちた。





    次の日

    バタンッ

     朝から勢いよく自室の扉が開けられて飛び起きる。何事かと扉の方を見ると眼鏡がない視界の中にぼやぼやと誰かが立っていて、後ろ手にガチャと鍵を閉めた音がした。

    「二階堂さん」

     久しぶりに聞く声にそこに立っている人物がイチだと分かりほっと胸を撫で下ろした。

    「なんだイチか…おかえりなさい」
    「二階堂さん」

    『ただいま』も返さずに食い気味に俺の名前を呼びながら、ずんずんと近づいてくるイチにただならぬ雰囲気を感じてベッドの上でずりずりと後退る。

    「な、なんでしょうか……」
    「これ、どういうことですか」

     ずいっと目の前にイチのスマホが突きつけられる。眼鏡がなくても見える程の至近距離だ。その画面には見慣れたラビチャのトークルーム。左上に俺の名前があって、下に目線を移動したら心臓が一瞬止まりかけた。
     だってその画面には俺が寝る前に送ったメッセージが表示されていたから。

    「な、な、な、な、な、なんで!?」
    「これ、送ったの二階堂さんですよね?」
    「いや、これは違くて!いや、違くないんだけど、そうじゃなくて!えっと、今、何かものすごい手違いが発生してて、こうなるのは予測できなかったというか何というか………とりあえず、ごめん!忘れてくれ!」

     ものすごい勢いで畳み掛けて、イチからスマホを奪おうと腕を伸ばすがスカッと空気しか掴めず、逆にイチに手首をぱしりと掴まれてしまった。

    「はぁ、質問の答えになってないですよ…もう一度聞きますけど、これを送ったの二階堂さんですよね?」
    「そ、それは………」
    (………くそっ、寝る前の俺をぶん殴ってやりてぇ………)

     素直にいう勇気がなくて右を見たり左を見たり、上を見たり目をキョロキョロさせてどう返すか考えるが、やはり素直に言う以外の選択肢がない。もう潔く白状してこの場から逃げようと心に決める。

    「お、俺が送った………だけど、突然送っちまったから、その、気持ち悪かったよな!ごめん!本当にごめん!怒ってるなら謝るから…………___っ!」

     恥ずかしくて目を逸らしながら謝ったのに何も返事がなくて不安になった俺は、言い終わった後にチラリとイチを見た。すると、目を細めながら甘く微笑んでいるイチと目があって、その瞬間胸がキュッと狭くなり、脳がぐらりと揺れた。幸せそうな顔で俺を見つめるイチに目が離せないし、俺の心は既にキャパオーバーだ。その甘い瞳に囚われてわなわなと震えることしかできないでいると、イチはスマホを床に置きベッドの上に上がると、俺のことを優しく抱きしめてきた。数日ぶりにすぐ近くに愛おしい人がいて無意識に肩に頭を埋めて、すぅと息を吸う。イチの匂いに安心してふっと肩の力が抜けた。

    「……二階堂さん、怒ってないですよ。それに気持ち悪いとも思っていません。むしろ、とても嬉しいです。本当に…………二階堂さん、私も好きです。会いたかった…」

     ぎゅっと力を強めて更に抱きしめられ、全身がぶわぁと温まっていくのが分かった。イチからの突然の言葉に嬉しさと恥ずかしさで頭の中がスクランブルエッグ状態だ。
     あぁ、『好き』の気持ちが溢れてしまう。数日間だけだがその分の『好き』と溢れた分の『好き』もイチにあげたくて受け取って欲しくて、俺もイチの背中に腕を回して抱きしめ返す。

    「………俺も、会いたかった…好きだよ、イチ……」

     素直に言葉で伝えるのは恥ずかしくて緊張したが、言葉は無くともイチからの『好き』も伝わってきて、幸せで涙が出そうになる。ただ近くにいるだけで昨日までの寂しさが嘘のように満たされるのが分かった。
     しばらく抱き合ってお互いに体温を分け合った後、こつんと額を合わせて指を絡ませる。さっきまでくっついていた所から温もりが無くなって、まだくっついていたい、なんて柄じゃないことを思ってしまった。

    「……二階堂さん」
    「……ん?」
    「ハグの次」
    「ふぇ?」
    「ハグの次は、『キス』でしたよね」
    「え」

     いや、確かに『キスしたい』と送った気がするけど。するけどさ!?

    「い、イチ…もう、俺の心がキャパオーバーだから…」
    「私と『キス』したくないんですか?」
    「うっ…し、したいけど……でも…朝だし…」
    「したいなら、いいじゃないですか」
    「や、今したら、なんか、その………止まらなくなりそう、だから…やだ……」

     繋がれたイチの手をにぎにぎと握りながらそう伝えたのだが、またもやイチからの反応がなく合わせていた額が離された。もしかして気に障るような返しをしてしまったか?と思い、そろりと様子を伺うとイチは天を仰いで固まっていた。

    「い、イチどうした?」
    「……………いえ、なんでもありません」
    「いや、絶対何かあっただろ…」

     息をはぁと吐いて目があったと思えば、先程瞳の奥には無かったギラギラとした欲がちらりと顔を覗かせていて、背筋がぞくぞくと震えた。すると、すらりしたイチの指に顎を掬われて、見つめ合う形になる。

    「い、イチ……」

     ゆっくりと近づいてくる唇なキスされると思い、ゆっくり瞼を閉じた。

    ちゅ

     可愛いリップ音が部屋に響いた。が、柔らかい感触は唇ではなく頬にあった。てっきり唇にくるものだと思っていて、驚いて目を開くと悪戯が成功したような顔でくすくすと笑っていた。

    「ここにキスされると思いましたか?」

     とんとんと人差し指で唇に触れられて、さっきまでしたくないと言っていたのに、期待してしまった自分に恥ずかしさが込み上げてきた。

    「っ……べ、べつに、そんなんじゃない」
    「………そうですか」
    「え、ちょ」

     イチの問いをやんわり否定するとまたすぐに顔が近づいてきて、おでこ、目尻、鼻、耳、首筋へと次々とキスのシャワーを降らせてきた。それも唇を避けながら。ふにふにとした感触もさることながら、ちゅっちゅっ、というリップ音が俺の耳から少しずつ快感を積み重ねていく。そして、その柔らかい感触が1番欲しいところに来ないことが焦ったくなって自分から欲してしまうくらい、思考回路が徐とろとろ蕩ける。ほしいのに。ほしいのに。くれない。

    「んっ、イチ、」
    「なんですか?」
    「…いじわる」
    「言ってくれないと分からないですよ」
    「ぅう…………」
    「ゆっくりでいいですから」

     二階堂さんの言葉で聞きたいんです。そう言って優しく髪を梳かして俺の横髪を耳にかける。大事にされていると言葉がなくともわかる優しい手つきに、心臓がどくどく跳ねる。

    「あの、さ」
    「はい」
    「………ここに、きす、して、」

     自分の唇を人差し指でとんとんと触れながらイチに精一杯伝えた。しっかり瞳を見つめながら。

    「っ!貴方、何処でそんなこと覚えたんですか…!」
    「……イチの真似しただけだけど??」
    「ぅぐっ….可愛すぎるのも困りますね…」
    「…ねぇ…イチ…はやく…」

     耳を赤くしながら一向にキスする気配がない目の前の恋人に、いつもはしないオネダリをする。後できっと恥ずかしさがぶり返してくるだろうが、今は欲しくて堪らないのだから仕方がない。

    「……分かりましたからっ、あんまり煽らないで…!止まれなくなるっ…」

     さっき俺が言ったことをイチが言い出して、してやったりだ。これで俺の気持ちがわかっただろう。あともう少し。

    「……止まらなくていい…から、ちょうだい?」

     その言葉を言った瞬間、背中が柔らかいベッドに沈んで気づくとイチが覆い被さっていた。

    「…煽ったのが悪いんですからね。最後まで付き合っていただきますから、二階堂さん…」

     そう呟きながら顔が近づいてくる。

    「…ん、付き合うよ、イチ」



     カーテンの隙間から柔らかな陽がさす大和の部屋で、2人は静かに瞼を閉じた。
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