back_side_moonDONE自分も夜の二人を書きたいなあと思って練習です守沢から誘っているお話です 1266 back_side_moonTRAINING桜樹の化身の守沢と、高校生鬼龍ですとむさんとかほさんの桜紅千に触発されて、設定一部お借りしました🙏守沢が嬉しいと花びらが出現して花まみれになるので桜の傘を差しかける鬼龍…という理解をしました「鬼龍が傍にきてくれると嬉しくて花びらをよけいに降らせる(物理的にある以上に)守沢」しか書けてません(しかも人外)が、イメージがなければ書くこともなかったので…素敵なツイートありがとうございました🌸......はらはらと薄紅色の花弁が舞い落ちる。 その広場はいつもひと気がない印象だった。奥に、ひときわ存在感を放つ桜の古木があるほかは、風雨にさらされて文字も判別しづらい歌碑のようなものが置かれているだけだ。樹からほどよく離れた位置に、石の腰掛けが二基。 紅郎は自宅に近いこの場所によく足踏みする。 日課のランニングの終わりにここのベンチで息をととのえたり、空手の型をさらったりするのだ。幼い頃から好きで続けているが、体格にもめぐまれた紅郎に向いていたのだろう。もうすぐ昇段試験というときなど、時間を忘れて鍛錬することもある。 そんなときは、気づけば日の落ちた空を半分覆うように枝を伸ばした桜が、静かな風に葉を揺らしている。いちどに視界におさめきれないほどの樹勢をみやれば、高みから自分を見守る視線がそこにあるような気がしてくる。幼い紅郎はそう感じることを特に不思議にも思わず、かえって親しみをおぼえていた。 冬がおわりに近づくにつれ、桜の樹は春への憧れを秘めてはりつめた気配を漂わせる。息をひそめて指折りかぞえてその日を待ち、花びらのまじないで閉じ込める。過ぎ去る刻を、人を 1099 1