離れ難しセルとの戦いが終わり孫悟空という大きな犠牲を払いながらも世界に平和が訪れた
悟飯は宣言通り時々神殿を訪れた
手合わせより言葉を交わす事が大半だったが子供の元来の望みを考えればそれも致し方無しとさして気にはしていなかった
母に子供が出来た、と心底嬉しそうに語る悟飯を見ながら俺も満たされていた
そうして過ぎてゆく日々の中、いつしか悟飯の様子がおかしくなっていった
『ピッコロさん僕、怖いんです…お母さんのお腹が大きくなる度に、産まれてくる子を傷付けてしまわないかって』
何かに怯える様な悟飯に理由を問えばそう悟飯は震えながら言った
世界を救った筈の悟飯のその力は悟飯自身をいつしか追い詰めていた
俺は何も言えず、ただその震える肩を抱き締めるしか出来なかった
789