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    albatrosstale11

    刀剣乱舞は刀×女審神者の夢小説置き場

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    albatrosstale11

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    般若さに。
    大般若さんが修行に出るまでのさにわの話。
    続きます。

    修行の前前前夜 あのシルエットを見てから、眠れなくなった。来るはずの生理も来ない。
    頭もお腹も痛いし、とにかく不調。
    「あんた、顔色悪いなあ」
    俺がいるのになあ、と大般若長光が布団のなかで私を抱き締める。
    この気持ちも、不調も、誰かのせいにしたくて、やめる。
    口を開いたら、泣いてしまいそうだから。

    ***

    彼女の不調が始まったのは、政府からお達しがあってからだ。
    一週間後、あらたに極となる刀剣男士が現れる、とご丁寧にシルエット付きで。
    「みんな、いつかは通る道だがなあ」
    部屋を掃除しながら大般若長光がぼやくと、すでにその道を通った燭台切光忠が口を開いた。
    「主も戸惑ってるんだよ。何度もシミュレーションしてたのに、やっぱり動揺してることに」
    ちなみに彼女のシミュレート内容は以下の通り。
    ――虹色の背景で、金色のスロットになって、馬に乗っていれば先制攻撃を行う。
    手紙の書き出しは「あんたへ」だろうか、「主殿へ」だろうか。
    くだけた話し方もいいが、戦国大名などが送りあっていたような「~で、候」といった感じもありうるだろう。
    帰還時は、遠征帰還の時のように「新しい服で帰ってきたよ」といったようなものかもしれないし、「主の元へただいま見参!」というものかもしれない。
    ……と、刀剣男士たちからすると、言ってることの半分は意味不明だが、彼女にとってはそうらしい。
    ふと、大般若長光が庭に眼を向ける。虫の報せだったのか、主が、割と派手に転んでいた。
    そばにいた、本日の近侍の秋田藤四郎が支えたのか一緒に崩れたのか、打撲したくらいで済んだようだが。
    同じく、その光景を目撃していたらしい小竜景光が誰にいうともなく、つぶやく。
    「仮に主に実力があったとして、いまそれを発揮できないのは誰のせいでもないさ」
    なんだそれ、と大般若長光が問う。主が好きな歌の歌詞、と小竜景光が答える。
    「それだけかのじょが、きみのことをとくべつにおもっているということだよ」
    「そうか、大般若はあるじにあいされているんだな」
    小豆長光や謙信景光も掃除の手を止めて、大般若長光に声をかける。
    「そうそう、だからちょっとは困ってやりなよ、大般若長光」
    困っているさ、と大般若長光は肩をすくめて見せた。
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