好きが止まらない 侑と直接会うのは今日がなんと約一か月ぶりのことだった。侑の日本代表としての海外遠征に、今度はリーグ戦に復帰したと思ったら試合が遠方の会場と、なんともスケジュールが噛み合わない中、やっとのことで掴んだ休日だ。
練習が終わった侑が、治のひとり暮らしの家に駆け足でやってきたのはつい数時間前のことだった。侑が来るまでに手持無沙汰で作っていた料理をすっかり全部腹に収めて、ちょっといい酒で乾杯して、それからだらだらと片づけをしている内にもうすっかり夜は深くなる。
「おさきー」
治が先に風呂から上がると、侑の姿はそこにはなかった。どうせソファーでだらけているのだろうと「おいツム、お前も入ってこいや」と上から覗き込む。
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