【ムムリク★クッキング🍳】原「事前に知らせていた通り、今度のお題は料理だそうだ。品目は『闇鍋』。お前たち、使用する食材は持参したか」
映&メロ「はーい」
平「持ってきましたけど…。あの、どうしてぼくもこの企画に参加なんです原たち三人が行うものでは…」
原「さぁ…天の声が決めたからなぁ。たぶん、『ムムリクじゃんけん』の時のお前の評判が良すぎたから、ゲストとして呼ばれたんじゃないか」
平「そ、そんな…。嬉しいような、悲しいような…」
映「まぁまぁ。闇鍋は人数が多い方が盛り上がるし、ちょうどいいんじゃない」(ニコッ)
メロ「そうだそうだー。平も道連れだー」(棒読み)
平「はぁ…(ロクな面子がいない…)」
原「闇鍋パーティー開始の前に、指示書の確認をするぞ〜」
〈ドキドキ★ムムリク闇鍋パーティーのざっくりルール〉
①闇鍋に持ち寄る食材は一人一種類。各自、量は一~二人前が目安。
②完食は絶対。毒物などの食べられない物や、健康被害を与える物はダメ。
③中身が分からないよう、食べやすいサイズに下ごしらえした食材を各自包みに入れて持ってくること。
④鍋の具材が見えないよう、極力暗所で開催すること。火傷には気をつけてね。
⑤完成した鍋の具を器に盛り付けたら、皆で一斉に食べること。
⑥食べた感想を『原→メロ→映→平』の順に一人ずつ述べること。
⑦感想を述べ終わったら、具材の答え合わせをしよう
原「――というわけで、Are you guys ready〔みんな、準備はいいかい〕」
映&メロ「Ready to go〔準備は万端〕」
平「ぼくは今すぐこの場から逃げ出したい…」
(ぼちゃんっ、ドバドバッ…)
原「よし。全員の具を鍋に投入したし、あとは煮えるまで少し待とう」
メロ「しりとりでもする」
映「いいね、やろう〜」
平「――真っ暗な森の中で、ぼく達は一体何をしているのだろう…」(遠くを見る目)
~しりとりをしている間に闇鍋完成~
平「――闇鍋に相応しい、独特な香りがしてますね…」
原「腹が空いた…」
メロ「未知なる恐怖に対して平常心すぎでしょ、原…」
映「メロは体が震えているけど、大丈夫かい…」
メロ「これはアレさ、武者震いだから」
原「(下手な強がりだな…)」
平「手元はかろうじて見えますし、とりあえず全員器に盛りましょうか…」
(スープレードルで各自、器に鍋の具とスープをよそう)
原「皆、スプーンは持ったか」
映&メロ&平「はーい」
原「それじゃあ…。いっせーのーで…」
四人「いただきます」(パクッ)
原「(もぐもぐ…)ん〜、これはたぶん芋だな。美味しい」
メロ「(もぐもぐ…)何か、噛む度にムチムチキュポキュポする…。味は悪くないかな」
映「(もぐもぐ…)んぐっ、甘っあとちょっと酸味もある…」
平「(もぐもぐ…)――ブフッ何だこれ、鼻を突くような臭いと塩辛い味がする…っ食感はグミに近いですけど…、うぷっ…」
原「…感想は言い終わったけど、先に鍋の中身を全部食べてから答え合わせをしないか」
映「そうだね…。具材の正体を知ってから残りを完食する気にはなれないし…」
平「(ブンブンと勢いよく首を縦に振る)」
メロ「この中で平が一番顔色悪いな…」
~闇鍋完食後~
原「――なんとか食べ終わったし、答え合わせをするか。先に僕が食べた物は…」
映「ボクが持ってきた芋だよ。原くん正解〜」
メロ「ムチムチキュポキュポ食感のアレは」
平「それ、たぶんぼくが持ってきたタコの足ですよ」
映「ボクが食べた、やたら甘くて酸味もあるグチャっとした物は…」
メロ「それはきっと、ぼくが公園番から盗ってきた苺のショートケーキだね。スープが染みて食感もマイルドに…」
映「ちょっと鍋に甘い物入れるなんてどういうこと」
メロ「だって、今回の闇鍋ルールに『甘い物はダメ』って書いてなかったじゃないか」
映「そんなぁ…。どうせなら食後に食べたかったよ…。しかも、人の物をまた勝手に盗んできたのかいキミは…」
メロ「あのおじさん、コーヒーの隣に珍しくショートケーキも置いてたから、背後からコッソリと。てへっ(*ノω・*)」
平「えっと、最後にぼくが食べたとんでもなく不味い物は…」
原「不味いとは失礼な。アレは僕が持ってきたサルミアッキだ。普通に美味しいじゃないか」
平「アレのどこがですか」
映「北欧ならではの故郷の味だよね〜。今じゃ、『世界一不味い飴』として有名になってるけどさ」
メロ「…もしかして、平は育ちが日本だからサルミアッキに馴染みが無いんじゃない」
原「なるほどな。サルミアッキ美味しいのに…。なんなら、僕まだ持ってるぞ。食べるか」
平「いりませんよっ」
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ポイピクのみの書き下ろしオマケ↓
平「”慣れたら癖になるから”って、原が別途に持っていたサルミアッキを無理矢理押し付けてきたけど…。どうしよう、これ…」
スティ「スティンキっ、スティンキっ…♪」(口ずさみながらスキップして移動中)
平「(あれはスティンキーか。ちょうどいい所に…)おーい、スティンキー」
スティ「あんお、スナフキンかオレに何か用か」
平「知り合いからお菓子をたくさん貰ったんだけど、一人じゃ食べきれなくて困っていたんだ。良かったら、全部貰ってくれないか」(大量のサルミアッキが入った布袋をスティンキーに手渡す)
スティ「え、いいのかわぁ〜いオレちょうど小腹が空いてたんだけど、今食べてもいいか」
平「えうん、いいけど…」
スティ「ヘヘッ…。(ゴソゴソ…)うわっ、炭みたいに真っ黒だなこれまぁいいや、いただきまーす」(パクッ)
平「…なぁスティンキー。それ、美味しいかい…」
スティ「(もぐもぐ…)ん美味しいぜスナフキンも食べるか」
平「いや、ぼくはお腹空いてないから遠慮するよ…」
スティ「ふーん美味しいのに…(もぐもぐ)」
平「(あれ…ぼくだけ味覚や嗅覚がおかしいのかな…)」
【完】
※サルミアッキ(フィンランド語: salmiakki)は、薬草(甘草)の一種であるリコリス から抽出した成分を配合した「リコリス菓子」のひとつで、リコリス菓子に塩化アンモニウムを添加したもの。 その他の食品や飲料の味付けとしても使用される。〔Wikipediaより説明文引用〕