ある夜のことシャワーからあがった俺の目に入って来たのは、先にシャワーを浴びて寝室に行ったはずの相棒ダニーが、くつろいだ様子でリビングのソファに座りテレビ画面を眺めている姿だった。
「ダニー、先に上がったはずじゃ?」
俺の声にテレビからチラ、と視線をこちらに寄越したが、手に持ったコナビールをあおると視線はまたテレビの方へ戻ってしまう。
「めずらしいなこんなにシャワーが長いの。メールチェックついでにネット見てたら、見たかった映画の配信が始まってたんだよ。ほら俺がもう上映期間ギリギリだから今日は絶対見に行くって言ってたにも関わらず、スティーヴちゃんが無駄な発砲して犯人とカーチェイスする羽目になって結局見られてなかったやつ」
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