白昼夢のバカンス2妹と2人で島を散策しはじめる
南の島らしく海岸線にはヤシの木が植わっている
元無人島と聞いていたのに町並みは白いレンガの道にカラフルな屋根の家が並んでいて思っていたよりも発展していた
また歩いていて気がついたのだがこの南の島は二足歩行の動物の住民達と人間とが仲良く暮らしているようだ
亀のプロドクターやペンギンのプロドクター協会の会長がいるくらいだからもはや突っ込みはしまいとおれは固く誓ったところで…
ん?亀?ペンギン?プロドクター?何を言ってるんだ
一瞬見知った気がする緑のまんまるな顔が脳裏に浮かんだが、
「可愛い〜見て見てお兄ちゃんあの子ハムスターだよ」
ハムスターの見た目の住人にテンションが爆上がりした妹の声にその思考はかき消された
声に気がついたのか
「あたいアップル」
「あなたたちは新しい住人さん?それとも旅行者さん?きゅるん?」
クリクリの目をしたハムスターが話しかけてきた
ふにふにしたほっぺたが愛らしい
語尾はともかく言語は通じるようだ
「島に滞在するなら役場のタヌ吉さんが色々教えてくれるよ?きゅるん?」
島の情報を教えてくれた大きなハムスターに妹は臆することなく
「わ〜ありがとう行ってみるね」
と返事をし手を振りその姿が見えなくなると
耳元で
「あの子アップルちゃんめちゃくちゃ可愛いくなかった
それと教えてもらったタヌ吉さん名前から察するにたぬきなのかな?
ね?お兄ちゃんどう思う?」
矢継ぎ早に話しかけてきた
「そうかもな」
と返せば
「お兄ちゃんノリ悪〜い」
「ぐはっ」
と強めのパンチとともに返事が返ってきた
おいそんなそっけなくなかっただろ
お前の拳は以外と痛いんだぞ
腹部のダメージに耐えながら何時も通りせわしないなと思っていると
「とりあえず早く行ってみよう」
ニコっと笑った妹の顔におれは促され
俺たちは役場に向かって歩き出した