白昼夢のバカンス5「という訳でツウシン装置のパーツを探してきて欲しいのデース」
カモメが俺たちに依頼してきた
どうやら船から落ちて漂流している途中で装置の部品がバラけて無くなってしまったらしい
こういう時電子機器に詳しいアイツがいればどんなにパーツが無くなっていようがその知恵で瞬く間に直っただろうに…
脳裏に一際目に留まる赤パーカーがチラついた所で…
いや…誰だよ…???
「あ〜…クソッ」
さっきから知らないやつばかりが頭をよぎるので流石に気持ち悪くなったおれはガシガシと頭を掻いた
その様子を見ていたあいつが
「お兄ちゃん大丈夫?さっきから変だよ??」
具合でも悪いの?と
心配そうに顔を覗き込んできた
「いや…大丈夫だ」
そう返事を返すがあいつはまだ心配そうにこっちを見ている
多分疲れているだけだ
俺は自分に言い聞かせる
だからそんな顔をするなよ
俺はお前にはずっと笑っていてほしいんだ
と思った所で
いやキモいな…なんだそれ…あいつはいつも通り元気に笑ってただろ?
脳内に溢れ出した違和感を無理やり振り払う
「大丈夫だ」
心配そうな妹をよそに鳥の方を見た俺は
「カモメのジョニーって言ったか?」
「おいちょっとここで待ってろよ」
そう言って立ち上がり海岸を探し始めた