あれはいつの日のことだったか
もうずっと前のことのようにも
つい先日のことのようにも感じる。
月日が流れるのは早い。
流れる時間は同じなはずなのに、
いつだって自分は世界に取り残されるのだと、
そう感じる。
喧嘩をした。
らしくもなく、彼が声を荒らげたのは
俺が別れを申し込んだからだ。
何人も友を見送ってきた。
だからこそ、彼を見送れる気がしなかった。
お前が旧友になってしまう日が来るのがこわい
そう伝えると彼は
驚いたような顔をした後、
寂しげに、安堵のため息をついた。
「そう、じゃあ俺にも分けてよ。
先生ほどじゃないかもしれないけど
普通の人間よりは長く生きられるようにできるでしょう?」
「不可能ではないが、いいのか?」
「もちろん。
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