Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    tall_zelkova

    @tall_zelkova

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    tall_zelkova

    ☆quiet follow

    ずっと頭の中にあったものをテキスト化してみた。けどTwitterに載せるのが気恥しいのでここにUpしてみる。

    #ファンタシースター
    phantasyStar
    #千年紀の終りに
    atTheEndOfTheMillennium
    #スレイ
    sleigh
    #ライラ
    lila

    千年紀の終りに 前日譚ガルフを見送った日は、どこまでもどこまでも青い空が広がる、晴れた日だった。

    「オレが死んだからって、湿っぽいのはナシだぜ!」

    生前にガルフが言っていたのを思いだす。

    泣いたらもうとまらない気がして、余計な事を考えないように、思い出さないように、ギルドで依頼を次々に受けて、アイードの家にはしばらく帰ってなかった。

    「あ、ライラさん、良かったー!ハンターライセンスの更新が明日までなんですけどー!」

    何回目かの依頼を終えて、ギルドに戻った時に受付嬢がそう伝えてきた。更新に必要な書類は自宅だ。もちろん事前に聞いてはいたが、その頃には大丈夫になってるだろう、なっていて欲しい、と一縷の望みを託していた。…が、大丈夫ではなさそうだ…。

    仕方なく重い足を自宅に向ける。

    自宅の玄関前で逡巡する。
    ドアノブにかけた手が動かせない。
    ここをくぐれば、一人になってしまったことを突きつけられる。

    「はいはい、夜風も冷たくなってきたからさっさと入る」

    弾かれたように振り返ると、いつの間にか、スレイが後ろに立っていた。

    「え?…え?スレイ?なんで…?」

    スレイは扉を開け、戸惑っているライラの背を押して玄関に押し込んだ。
    扉を閉めると、ライラの顔を見て、一呼吸おいてから静かに言った。

    「…泣いていいんだ。ここは、ガルフがライラのために用意した、ライラの家なんだから」

    堪えていた涙がひとつ、ふたつ、とこぼれたあとはもう止まらなかった。玄関先でへたり込んで泣き続けた。

    どの位の時間がたったか、ライラがふと顔を上げると、スレイの横顔が目に入った。ライラが泣いてる間、スレイはじっと隣に座っていた。
    ライラが泣き止んだのに気づいて、切れ長の瞳がすっと細められた。


    ―ああ



    ―自分はもう独りではないのだ
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works