おひさま「ええ人に拾ってもらえや」そう言って段ボールごと俺を置いて行ったそいつの顔はもう忘れた。というより最初から覚えていなかった。
今まで閉じ込められていた「イエ」は全然おもろなかった。外にも出してもらえへんし、ちっさいケージに入れられてばっか。ストレス発散に、ケージを抜け出して、イエに遊びに来たブスの服ビリビリに破いたったら、ブサイクに追い出された。まあ、あれや、作戦通りや。あんなイエでの腐った生活は忘れて、俺はこれから自由に生きるんや!と思うとめちゃくちゃ清々しい!!
せやけど、門出にしては天気が悪い。朝から雨がしとしとと降り続いていた。元「カイヌシ」の最後の気遣いか、俺の入った段ボールを公園の大きな木の下に置いて行ったので、ずぶ濡れにはならずに済んでいたが。
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