Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    fuji

    ■お絵描き倉庫■
    Twitterにあげた絵や、その他ラクガキなどの倉庫です🐶

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 5

    fuji

    ☆quiet follow

    なかよす~

    #千手兄弟
    thousandHandsBrothers

    Tap to full screen (size:2048x1536).Repost is prohibited
    💵💵💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    sena

    MOURNING支部の下書きからサルベージ。
    最早投稿したのかも謎なので、ここにあげてみた。若干加筆修正しましたが、話の本筋は変わってないので、まぁいいでしょう(?)
    誘い文句にお応えしませう「何だか、口寂しくありませんか」

    ソファで寛ぎながら、平然を装ってそんなことを告げた。脈略のない僕の言葉に、隣り合ってテレビを見ていた兄はぴたりと動きを止める。時間にして僅か二秒足らず。兄は首だけでこちらに向き直った。左横からは熱いくらいの視線が突き刺さるが、僕は前方のテレビを見る振りをして動かない。

    「千寿郎」

    せっかちな兄が僕の名を呼んだが、それにも答えない。兄を無視している訳ではない。先程の自分の発言を無かったことにしたいだけだ。見えない矢印が僕の左半分に突き刺さっているが、あくまで気付かない振りを続ける。うん、テレビのチャンネルを変えて誤魔化そう。そう考えてすぐ横のリモコンに手を伸ばしたが、碌に見ずに掴んだそれは、リモコンではなかった。ごつごつとした節ばった指が誰のものかなんて、すぐ分かる。慌てて掴んだ手を離したが、もう遅かった。指の隙間に節ばった指が滑り込み、がっちり絡んで離れない。力が入っていなさそうなその指は、どんなに振り解こうとしても全く揺るがない。そもそも兄に力で勝てる筈もなく、諦めて力を抜けば左隣から小さく吹き出す声が聞こえた。流石にもう気付かない振りは通用しない。おずおずと左を見れば、隣に座る兄は至極楽しそうな顔をしていた。
    2307

    桜庭🌸

    PAST💎さん、お誕生日おめでとうッ!
    ということで(?)💎さん友情出演のお話です😎
    杏千 / 大正軸
    杏千プチ開催記念のアンソロジーに寄稿させていただいた小説の再録です
    (公開許可いただいています)
    酔いのようには醒めなくて「まぁ、一杯やろうや」
     酒を勧めたのは、宇髄のほうだった。
     共同任務の作戦会議後、宇髄が煉獄家に一晩泊まると言い出したのがはじまりだった。難色を示す杏寿郎の肩を気安く抱いて、「土産にうまい酒でも買っていこうぜ」と店じまいを始めた商店街に彼を連れ込んだ。「おい、宇髄」なおも抵抗する同僚に、「大丈夫、大丈夫」とけんもほろろに返す。もし拒絶されれば、酒を妻への土産にすればいい。そう考えていたのだ。
     結局のところ、家長は不在だった。「昔お世話になった人のご葬儀だそうです。さきほどまでいらっしゃったのですが、ふらりと出ていかれました」そう説明する次男は、何でもないことのようにてきぱきと夕食を用意している。鎹鴉から宇髄同伴の帰宅を聞いてすぐに炊き始めたのだろう、釜戸から漂う湯気とともに柔らかな米の匂いが立ち上ってきた。たすき掛けをした袖口からのぞく生白い細腕を見て、杏寿郎は「千寿郎を一人にするなんて」と顔を顰めた。しかし、それも一瞬のことだった。父が留守にしたのは、自分が珍しく夕方に戻ると鎹鴉からの伝達があったからだろうと納得したのだ。不器用ながらも千寿郎に一人で夜を過ごさせんとする父の心の内を想像して、杏寿郎はやっと眉を下げた。
    4653