笑って誤魔化すつもり? 休日の朝はいつもよりのんびりと過ごし、阿笠博士や友人のところに遊びに行く。江戸川コナンとして生活することになっても、元々の「工藤新一」としての習慣はそう大きくは変わらない。
だが、この日のコナンは阿笠邸を訪ねる前に、隣家へと寄り道をしていた。それが全てのはじまりだとは、この時には知る由もなかったことだろう……。
「昴さん、い……?」
いつものように、「居る?」と声をかけようとしたコナンは、リビングのドアを開けたまま、その場に立ち止まった。しばしのフリーズ。その後、ようやく放たれたコナンの声には驚きと焦りとが存分に上乗せされていた。
「いや……ちょっと、何してるのっ」
「何って……なぁ?」
コナンの眼差しの先で、長椅子に座っていた赤井秀一は、平然とした様子で答えた。そして彼は、自分の隣に座った男を肩で小突くように、軽く身を揺すった。
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