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    epep3579

    @epep3579

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    epep3579

    DONE例えば君が恋をして(アキウィル)
    アキ(→)←ウィルな両片想い
    アカデミー時代の捏造と、モブがめっちゃ喋る。
    子どもの行動は唐突だ。本人を突き動かした原因なんて、本人以外には分かりやしない。

    その日は雨が降っていた。レンは家族の用事ができて、アキラの家で二人で遊んだ。家の中でできる遊びはとうに尽き、子ども向けの番組もない中帰るには早く二人でぼうっとテレビを眺めていた。
    箱の中の男女は想いを通わせ口付けをする。その表情は幸せに満ちており、輝かしいものに見えた。

    「ぼくもこんな感じになれるのかな」

    ぽつりと溢れた言葉は本心だった。強い大人になって、好きな女性を守れる逞しい男性。今のぼくには程遠い存在。

    「ウィル」

    名前を呼ばれて隣のアキラを見る。「なに?」そう言おうとした口は塞がれてしまい、それ以上音を零すことはなかった。
    小さな水音をたてて離れた唇からは、何も言われない。炎の様に燃える瞳に吸い込まれるように見つめれば、何事も無かったように視線はテレビへと戻る。
    「どうしてキスしたの?」なんて、居心地が悪くて聞けなかった。

    『ヒーロー』を目指すアカデミーに入学する歳になった今でも、その疑問を口にすることはできないでいた。


    ーーー
    「アキラ、ちゃんと宿題やったの?前も提出して無かった 4567