ショートスリーパーのくせして、後見人は寝覚めが死ぬほど悪い男である。
「五条さん、五条さん起きてください」
「んぁ〜……うるさぁい……」
その恵まれた体躯を収めるために特注した大きなベッドの上で、布団の中に籠城しているその男、五条悟を布団の山ごとばしばしと叩く。ここ最近仕事がやたらと忙しいらしく、昨夜の帰りも深夜一時を過ぎていたし、そこからさらに持ち帰った仕事をこなしていた。
「五条さんってば」
「マジでうるせぇ……あと五ふ、ん……」
布団の山をばりっと捲ると、現れた新雪のように美しい髪が、朝日に照らされて銀色にひかる。どこぞのモデルかと見紛うほどの美貌を皺くちゃにしてむずがる五条に、大きくため息をついた。
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