海の家にいるらしいイケメン店員を求めて 澄み切った青。今年一番の快晴。燦々と降り注ぐ太陽の日差しが、海の水面に反射して、その眩しさに思わず片目を瞑った。
大きく腕を振り、サンダルで砂を蹴りながら、足を前へ前へと進め、進行方向の先だけを見据えるモブ山モブ子のその瞳には、熱く燃えたぎるような炎が垣間見える。
(待ってろ。今私が行くからな、噂のイケメンたち!)
モブ子の足取りにも、その瞳にも、一つの迷いはない。颯爽と人混みをかき分けながら今日の目的地に向かって進んでいく。
その噂を聞いたのはつい十分前のこと。モブ子がイケメンリサーチをしながらあてもなくビーチを歩いている時だった。
きゃっきゃと黄色い声を上げながらはしゃぐ若い女性の二人組の会話が偶然耳に入ったのだ。
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