七夕「ほら、今日は雨で星が見えないだろ?残念がってると思って理事長に借りてきたんだ」
そう騙るトレーナーに呼び出された一室には暗幕が張られ、私たちを包み込むように満天の星空が投影されている。デネブ、アンタレス、アルタイル……それに、ベガ。今も雲上遥か彼方に存在している星たちだ。呆気にとられた私はトレーナーに促されるまま、備えられた大きなyogiboへ体を預ける。辺りを見渡すと普段置かれていた机や賞状などは全て取り外され、暗幕の裏や別室に置かれているようだ。
素晴らしい環境に感動していたのも束の間、ドアの方から声を掛けられた。
「じゃ、あとはゆっくり楽しんでくれ。外泊許可はもう取ってあるからね。」
そう言い部屋を去るトレーナー。
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