慣れないのに無理するから…どっかの現代日本みたいな特異点。
複数の施設の中に温泉施設(健康ランド)があって
周回に連れ回されて疲れたバーソロミューが
宝物庫周回仲間で話す機会が
そこそこある坂本龍馬の
『疲れると温泉に浸かって
ゆっくりしたくなるなぁ』
という言葉を思い出す。
温泉か……と呟いたらそばに居たマスター(男)が
「バーソロミューも興味………………
あるよね……メカクレチャンス増えるもんね……」
と大失言
「ほう?マスター、もう少し詳しく
聞かせてくれるかな?」
マスターは後悔しながらかくかくしかじか。
「なるほど。それは私も試してみたいね。
それに、メカクレチャンスがあると聞いて
動かない私じゃないよ」
って満面の笑みで言うものだから
案内役兼監視として休憩がてらマスターも同行。
マスターに施設の使い方やマナーを教わりながら
大浴場へ足を踏み入れる。
かけ湯をして、いざ温泉へ。
すると土佐組を発見。
岡田以蔵。文句なしのメカクレ。
坂本龍馬。湿気で前髪が下りてメカクレ。
マスターは2人を見て目を輝かせ始めたその姿に
いっそ土佐組に押し付けようかな……ダメかな……と
思いながら合流。
2人が入っていた湯船は少々熱めで、
慣れぬ熱さにゆっくり足を入れるバーソロミューを横目に
マスターが話を聞いたら
どうやら酒の奢りをかけた我慢比べ中らしい。
ようやく腰まで浸かったバーソロミューの姿に
マスターが「大丈夫?無理しないでね」と声をかける。
「マスター。私はメカクレがあれば
毎ターンHP回復できる気がするのさ……!」
と返すから心配して損した気になりつつ
一応しっかり見ておく。
その様子を見た以蔵が「腰まで浸かるのも悪ぅないが
肩まで浸かった方が気持ちええぜよ」
なんて言ったから
「素晴らしいメカクレの君が言うなら間違いない!
喜んで浸かろう!」って肩まで入ってしまった。
「無理しないでって言ったそばから!」と
マスター渾身のツッコミ。
「ははは。……いや、でもたしかにこれはいいな。
凝り固まった体がほぐれるようだ」
「じゃろ?」
二人で笑い合う様子に
もう、心配しなくていいかな。と色々放棄マスター。
苦笑いサカリョ。
「だから言ったのに……」
「面目ない……だが反省も後悔もない!」
「反省はして」
大浴場内の休憩簡易ベッドに横たわり
扇がれるバーソロミュー。
結局すっかりのぼせてしまい
マスターじゃバーソロミュー(188㎝)の体は運べないため
土佐組に協力まで頼んでしまった。
(すなわち2人は引き分け。
以「酒代はコイツに請求するぜよ」
坂「以蔵さん!」
バ「喜んで……出そう……!」
坂「バーソロミューさんも!」
なんて会話もあったのは余談だ)
2人は女湯から出るお龍さんと
合流する約束の時間が近かったため離脱。
脱衣場で服着せるまでお願いしたかったな……
なんて思っていたらカルナとパーシヴァルが歩いてきた。
そういえばこの二人とバーソロミューは
ドバイで仲良くなってたはず!
それに二人ならバーソロミューも運べる!
と早速二人に近づいて事情を話して協力要請。
話を聞いたパーシヴァルが
早足でバーソロミューのいる休憩簡易ベッドに向かった。
その姿を見てその体を横抱きで抱え込む。
「ちょ、この抱え方はやめてくれるかな!?」
と下りようとしたいが上手く力が入らないし
そもそも下りれるものではない。
そのままカルナとマスターの元に一度戻り
「すまないカルナ、温泉はまた 今度の機会に……」と
頭を下げようとしたパーシヴァルに
『いいからはよ行け(意訳)』と送り出す。
「慌てて行っちゃった……」と
その背を見送るマスター。
「あの恥辱的な姿を
放置できるほど無頓着な男でもあるまい。
(恋人のあられもない姿を
他人の目に晒したくはなかったのでしょう)」
完