就寝時間は二時間後「まことのぶしにぃ……」
「はいはい、サラリーマンのお前に鎧はいらないよな」
宴もたけなわ。たけなわどころかもうお開きの時間だ。真の武士に鎧は要らぬと宣言した仁は、ついさっき最初に服を脱いでから4度目にもなる宣言を済ませた。
「もういい加減に寝ろ」
「まだだ」
「まだも何も無いんだよ」
宣言の度に服を脱いでいく仁に鎧の代わりにこんなのはどうだとスウェットを渡し、パーカーを渡し、一旦素直に腕を通したと思えば脱ぐのを繰り返している。最後に渡した着る毛布も今まさに脱ごうとしていた。
「風邪ひくだろ」
「俺はそこまでなんじゃくではない」
仁が初めに脱いだ時から少しずつ机の上を片し始めた俺は、仁が脱ぐ度に服を渡しながらどうにかこうにか片付け終えようとしていた。
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