💎🔨 ドタドタと階段を駆け上がる騒音で、段々と夢から意識が浮上していく。
「兄貴、歌番組にモナーク出るって!!」
ノックせず大きな音を立てて俺の自室の扉を開ける弟は、プレゼントを待ちきれない子供のようにはしゃいでいた。きっと、いち早く伝えたかったのだろう。俺が返事をする前に「兄さんごめん、起こしちゃったな」と妹が遠慮気味に顔を覗かせる。普段、大人しい妹も早く伝えたいという利害が一致したのだろう。片手にテレビのリモコンを持ったままだった。実の兄である立場からしても、可愛らしい妹弟である。
まだ、少し寝ぼけたままベッドから起き上がる。
「うん、ありがとう。今行くね。」
そう声をかけると、ふたりは我先にと階段降りていく。可愛らしくはあるが、そろそろ落ち着きを覚えて欲しいものだ。ベッドから立ち上がろうと手をつける。
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