水さにのできちゃった婚のおはなし「赤ちゃんできちゃった」
和やかな夕食を終え、満腹の腹を抱えつつ皆が厨へ食器を運ぶ時の事だった。
声を潜めるでもなく、ぽろりと言葉が漏れた様子でもなく。堂々と。審神者が隣にいた男士にそんなことを話し出した。
その言葉をいついかなる時にも主の命を聞き漏らさぬよう注意している男士達が聞き漏らすことはない。
あまりのことに食器を落としそうになる者、えーっ!? という悲鳴を飲み込んだものなどリアクションは様々であったが誰もがこれ以上ないほど驚いていた。
審神者に彼氏がいることも、それがこの本丸の男士であることも知らぬ者はいない。
だが初々しく手を握るやら握らないやらでイチャイチャしているところを見かけるなど、全員が微笑ましい付き合いをしているのだと思っていた。
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