ムおじ酔っ払いネタ托恩コンコン、と軽く扉をノックする音が執務室に響く。書類に目を通していたドクターは顔を上げ、扉の方に向かって「どうぞ」と声を掛けた。直後扉が開き、トーランドが顔を出す。
「よう、ドクター。ムリナール居るか?」
「いいや、来てないよ。彼に秘書を頼んでないから。こちらに戻ってきたばかりだしね」
「そうか……いや、ありがとな。あいつの部屋に行っても留守みたいだったから、ドクターの手伝いでも頼まれてるのかと思ってなあ。あいつもこの艦に暫く居るんだろ?」
「そうだね、少なくとも一週間以上はここに居るみたいだ」
「んじゃまあ、ムリナールが行きそうなところ当たってみるか。悪かったな、ドクター。仕事の邪魔してよ」
「いや、気にしないで。私もムリナールを見かけたら、トーランドが探していたって伝えとくよ」
(エンジニア部・マリア)
(訓練室・ゾフィア&ワイルドメイン)
(食堂・フレイムテイル&アッシュロック)
(甲板・ファートゥース)
etc 行きそうなところを巡って再び最初の場所に戻る
(ムリナールの部屋)
一人でグラスを傾けるムリナール(コートとベストは脱いでおり、シャツ姿)
部屋に入ってくるトーランド
「よ、ムリナールくん。ここに居たのか」
「何か用か」
「いいや、特に用は無いんだが。強いて言うなら、お前の顔が見たかったんだよ」向かい側に座るトーランド
「……」目元が少し緩む
「でも珍しいこともあるもんだなあ」トーランドの視線→酒が入ったグラスのアップ
「兄上達の夢を見ただけだ」
「……そうか」
「……」
「そういや、まだ水飲んでねえんじゃねえのか?取るか?」
「自分で取る」立ち上がるムリナール、足元がおぼつかない
「おいおい、俺の目の前で怪我されたらどうしろってんだ。取ってやるから座ってな」ムリナールの体を支えて元の位置に座らせようとするトーランド
ぼんやりと体を支えられていたが、徐にトーランドの首に両腕を回すムリナール(或いは腰に両腕を回す)
唐突に抱きつかれそうになっているので固まっているトーランドを他所に肩口に頭をぐりぐりと押し付け始めるムリナール(或いは肩口に頭を置くだけ)
「お前さん、いくら飲んだんだ」
「今飲んでいるのが二杯目だ」
「お前にしちゃ結構飲んでる方だな……まあ、とりあえず水飲もうや。な?」ムリナールを座らせてペットボトルの水を冷蔵庫から取ってくる
「(何らかの感謝の言葉)」
「聞くまでもねえと思うが、もう随分酔いが回ってんだろ?」
「お前から見て、そのように見えるのならそうなんだろう」
「はは、今の顔を姪っ子たちが見たらびっくりするんじゃねえか?」
「フン」ペットボトルの水を飲む
「潰れないうちに寝た方がいいと思うんだが、そうったって夢見が悪いから飲んでんだよなあ……いっその事、俺が添い寝でもしてやろうか?なーんて
「ああ、その方が良い」しれっと返事をするムリナールと、その返事を聞いて目を丸くするトーランド
「えーっと……ムリナール閣下?今なんて仰ったんだ?」
「お前と一緒に寝たいと言ったんだ」
「ははあ、お前さんの口から一緒に寝たいっつう言葉が聞けるとはなあ。雑魚寝をしてたあの頃が恋しくなったか?」
「お前から言い出したんだろう。私はそれに乗っただけだ」