ponkikinoMAIKINGマジで書きかけ満天の星空の下。ナイトレイブンカレッジの中庭の芝生に、3人の人影がある。3人とも金の装飾の施された黒いローブに身を包み、静かに座っている。かと思えば、そのうちの1人、少年のような見た目をした青年がその厳かな空気を打ち破るかのように口を開いた。「まずは自己紹介からじゃな。」残りの2人が目配せをする。なぜ?という顔だ。「せっかくグループワークなのじゃから。こういうのは最初が肝心じゃろう。特にこの授業はチームワークが問われる。」青年は彼らの顔に気づいたのか否か、ピシリと指を立てる。2人のうち、小さい方がぽそりと、問われるんですか?と呟く。背の高い方が肩を竦めた。異を唱えても仕方ないですよ、という合図だ。それを異論無しみなしたのだろうか。青年は立ち上がり、豪然と語り出した。「わしはリリアじゃ。3年E組。軽音部に入っておる。好きな食べ物はトマトジュース。嫌いなのはマシュマロじゃ。」食べた気がしなくて満足できぬのじゃ。と青年──リリアは付け足す。「占星術をとったのは単純に夜が好きだからじゃな。わしにとって一番過ごしやすい時間じゃ。」そう、今は占星術の授業時間である。この授業は 1530 ponkikinoMAIKING博物館でのアズと監の話を聞いていたジ→アズのジが監督生と喋る「あなたのこと、嫌いなんですよね。」閉店後のモストロラウンジ。大理石の模様に着飾ったメラニン化粧板の机を丁寧に拭きながら、ジェイドは唐突にそう言う。「嫌い?」同じく後片付け中だった監督生が手を止める。水槽に反射したジェイドの顔を捉え、へぇ、と小さく息を吐いた。「居残りまでして働いてる後輩に対して、ちょっと酷いんじゃないですか。」今、この空間にはジェイドと監督生、2人しかいなかった。閉店時間はとうに過ぎ、現在時刻は23時。閉店は21時で、バイトが帰るのは基本22時だ。「おや、あなたは正規に雇っているわけではありませんよ。」監督生は気まずげに顔を逸らした。つい先日ここに食事をしに来た際、グリムがラウンジの備品を壊したのだ。今日はその補填の、無賃労働というわけだ。だからこそ、労基法に基づいた高校生が働ける時間を超過させられているとも言える。2人の沈黙の間に、ふなー!というグリムの叫び声が聞こえる。続いてアズールの怒鳴り声。グリムは今日も皿を何枚か割っていた。どうやら監督生が解放してもらえるまでにはまだもう少しかかりそうだ。だから正直、2人とも時間を持て余していた。机の掃除は 2255 1