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    ponkikino

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    マジで書きかけ

    満天の星空の下。ナイトレイブンカレッジの中庭の芝生に、3人の人影がある。
    3人とも金の装飾の施された黒いローブに身を包み、静かに座っている。かと思えば、そのうちの1人、少年のような見た目をした青年がその厳かな空気を打ち破るかのように口を開いた。
    「まずは自己紹介からじゃな。」
    残りの2人が目配せをする。なぜ?という顔だ。
    「せっかくグループワークなのじゃから。こういうのは最初が肝心じゃろう。特にこの授業はチームワークが問われる。」
    青年は彼らの顔に気づいたのか否か、ピシリと指を立てる。
    2人のうち、小さい方がぽそりと、問われるんですか?と呟く。背の高い方が肩を竦めた。異を唱えても仕方ないですよ、という合図だ。
    それを異論無しみなしたのだろうか。青年は立ち上がり、豪然と語り出した。
    「わしはリリアじゃ。3年E組。軽音部に入っておる。好きな食べ物はトマトジュース。嫌いなのはマシュマロじゃ。」
    食べた気がしなくて満足できぬのじゃ。と青年──リリアは付け足す。
    「占星術をとったのは単純に夜が好きだからじゃな。わしにとって一番過ごしやすい時間じゃ。」
    そう、今は占星術の授業時間である。この授業は他の授業とは違い、基本は夜間に式典服の着用の元行われる。選択授業だが、寮で夕飯を終えた後わざわざ着替えて学校に出てこなければならないとなれば当然とる者も少ない。だから授業は学年合同だ。ウィンターホリデーが終わり、2学期からこの始まったグループワークもそうである。
    「次、ほれ、そこのお嬢さん」
    指を指された小さい人影は慌てて立ち上がる。代わりに座ったリリアを横目に、彼女はええと、とか何とか言ってから口を開いた。
    「1年A組。オンボロ寮の監督生をしています。占星術をとったのは、あまり魔力を使う授業ではないと聞いたので、私でもできるかなって。」
    ふむふむとリリアがそれらしく相槌を打つ。
    「趣味は…釣りですかね。って言っても、必要に駆られて、ですけど。」
    「必要?」
    リリアが問うと、監督生は少し恥ずかしそうに答えた。
    「お金があまりないので。休日に釣った魚食べてます。向こう側の学校の近くの浜辺にできるところあるんですよ。」
    向こう側の学校、と言うのはRSAのことだ。
    「どうせ魚なら本当はウナギ食べたいんですけど、川の釣りは許可されてないんですよね。だから代わりにアナゴとか釣ってます。」
    アナゴ。と苦い顔で呟いたのは、ずっと黙っていた最後の男だ。それを聞いていたのかいなかったのか、リリアと監督生は会話を続けた。
    「ウナギが好きなのか?」
    「はい。蒲焼きとか美味しいですよ。すごくいい匂いがします。」
    「カバヤキ?」
    「ソースをつけて蒸した後焼くんですよ。アナゴも蒲焼きにして食べてるんです。でもまだソースが再現できなくて。」
    「ふむ、異世界の料理か。お主が納得いくところまできたら御相伴にあずかりたいものじゃな。」
    「ぜひ。」
    朗らかな空気と共に会話に一区切りがつく。となればいよいよ最後の1人だ。式典用のローブの、ダブついた袖を掲げてリリアが指を指す。
    「トリはお主じゃ。」
    指名を受け、おもむろに立ち上がった彼は随分と背が高い。
    「2年E組。ジェイド・リーチと申します。」
    胸に手を当て、ターコイズの短髪から伸びた一房の黒髪を揺らして、ジェイドは丁寧にお辞儀した。
    「部活は山を愛する会に入っております。関連で、趣味はテラリウムを少々。好きな食べ物はタコのカルパッチョですね。」
    台本を読み上げていくように淀みなく話し、そのまま腰を下ろそうとした彼の一連の動作を遮ったのは監督生だった。
    「先輩が占星術ってちょっと意外です。」
    「おや、意外とは?」
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    ponkikino

    MAIKING博物館でのアズと監の話を聞いていたジ→アズのジが監督生と喋る「あなたのこと、嫌いなんですよね。」
    閉店後のモストロラウンジ。大理石の模様に着飾ったメラニン化粧板の机を丁寧に拭きながら、ジェイドは唐突にそう言う。
    「嫌い?」
    同じく後片付け中だった監督生が手を止める。水槽に反射したジェイドの顔を捉え、へぇ、と小さく息を吐いた。
    「居残りまでして働いてる後輩に対して、ちょっと酷いんじゃないですか。」
    今、この空間にはジェイドと監督生、2人しかいなかった。閉店時間はとうに過ぎ、現在時刻は23時。閉店は21時で、バイトが帰るのは基本22時だ。
    「おや、あなたは正規に雇っているわけではありませんよ。」
    監督生は気まずげに顔を逸らした。つい先日ここに食事をしに来た際、グリムがラウンジの備品を壊したのだ。今日はその補填の、無賃労働というわけだ。だからこそ、労基法に基づいた高校生が働ける時間を超過させられているとも言える。
    2人の沈黙の間に、ふなー!というグリムの叫び声が聞こえる。続いてアズールの怒鳴り声。グリムは今日も皿を何枚か割っていた。どうやら監督生が解放してもらえるまでにはまだもう少しかかりそうだ。
    だから正直、2人とも時間を持て余していた。机の掃除は 2255

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