・前提
終わりなき反逆を黒咲さん版お楽しみはこれからだでありショー・マスト・ゴー・オンだと解釈してるオタクが作りました。本編は終わるけど黒咲さんの反逆はこれからも続く…っていう。

とはいえ、そのお楽しみはこれからだっていつだよって話でして。

これまでの攻めの反逆と違って待ちのスタイルなので長期戦になればなるほど最悪だよな…っていう、そんな着想で生まれたのがハルジオンです。

元の曲は破局ソングでそれでもハッピーエンドという原作小説がありますが、ここではそれでもハッピーエンドって言ってんだろって勢いでハッピーエンドへの妄執をぶつけてます。

お楽しみはこれからだって事は…お楽しみはこれからなんだなってことで解釈を好き放題振り回してますが許してください。自分の中ではこういうことになってるというよりあーだったら…こーだったら…って常に妄想してるだけなので、ifとして楽しんでもらえれば。

「他の肉が食べたい」
とある日の昼下がり——この霧と蒸気に包まれた薄暗いリバサイド・ディストリクトには温度上昇も日射量の増加もないが———薄汚れたテラス席に座る女がフォークで鶏肉をつつきながら言った。彼女の名はエステラ。ローズマリーとレモン汁、それと少しの胡椒が効いていて生臭さを感じさせないように仕上がっているこの料理に舌鼓を打っている。これは階級的にほぼ最下層にいる彼女にとっては贅沢品である。
「なぜだ」
彼女の問いに答えたのは、向かいに座っている額に大きな傷のある痩せ身の色黒長身男。彼の名はエィジ。PMC、クリベッジのコード7789、長期戦闘任務専門の腕利きの兵である。彼は何も頼まずに、ただ背筋を正してエステラが食べているのをじっと見ている。