うどん少し肌寒さを感じる季節になってきた。こんな日には暖かい物が食べたくなる。そうと決まれば部屋に掛けてある薄手のカーディガンを手に取りを出掛ける準備をする。
玄関へと向かい靴を履いると引き戸が開く。
「なんや、出かけるんか?」
「びっくりするやん…お母さんも居らんしお昼でも食べに行こうかなって」
「お、実はな、美味いうどん屋が出来たからお前連れってってやろうおもてな」
「ほんまか!ほんなら早よ行こ!」
店に入るや否や美味しそうな出汁の匂いが漂ってきた。席に案内され席に着く。卓に置かれたメニューを開き見てみればどれも美味しそうで、選ぶのに時間がかかりそうだ。向かいに座っている平次に目を向ければ、すでに決めたようで、私の方を見ている。
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