2/14ZJ久しぶりに銭形の家に足を踏み入れると、珍しく部屋の奥に座っている家主と目が合った。
また勝手に入りやがってなんて言われるかと思いきや、来たか、と簡単な言葉が飛んできた。
冷えている身体は、拒否されなかったことも相まって吸い寄せられるように銭形へと向かう。
こたつは出ていたが、電源を入れていなかったらしく、次元の姿を確認すると同時にスイッチを入れた音がした。
無言のままだが、そこへ来てもいいと了承を得たということだ。
しかし靴を脱いで、そちらへ向かうとすると、「いや待て」と制止する。
律儀にその場で立ち止まる次元へ、銭形は冷蔵庫を開けろと指示するように指さした。
「なに?」
「いいから開けろ」
玄関を上がってすぐのところに小さな台所と冷蔵庫などの電化製品が並んでいる。
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