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    流浪 @阿七おいしい

    遙か7阿国さん激推しの阿七狂い。
    阿国さんが幸せなLOVE&ピースな世界が好きです。

    漫画と小説で一応世界線分けてますが、基本イチャイチャしてます。
    小説の方が真面目(?)な阿七です。

    *エアスケブ始めてみました。

    Pixiv -> (https://www.pixiv.net/users/6550170)
    *主にまとめ、長めの小説に使ってます。

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    遙か7 阿七
    小説久々だからちょっとリハビリにSS。
    恋人の帰りを待つシチュエーションによくありがちなベタベタなネタを阿七風に調理してみました。

    漫画だとギャグにしかならないけど文字だとキュンなシチュエーションにできるかも?とか思った。浅はかな。

    2022.2.11

    嗜みに深く 阿国は頭を抱えていた。一舞台終えて一旦戻った宿の部屋、その中の光景を一目見て唸いてしまった。
     微かな寝息を立て、布団に横たわっている七緒がいる。阿国の誰よりも愛しい娘だ。その七緒が今朝は体調を崩していた。熱はないようだったが、大事を取って今日はそのまま休ませ、阿国は一人で興行場所に向かったのだった。宿を空けた時間は二刻くらいだろうか、それほど長い時間だとは思えなかった。だが、この有り様は一体どうしたことだろう。
    「…勘弁してほしい…」
     思わず素の声が出てしまう。七緒を見やってもう一度、顔を覆う。夜の阿国が纏う空色の小袖、それを抱き締めて眠る恋人の姿に目眩を起こしたくなった。
     きっと待っている間淋しく思ってくれたのだろう。それで子供のように阿国の着物を引っ張り出し、抱えることで安心したのだろうと想像に難くない。だが、できればそんな姿はこちらには隠しておいてほしかった。見られたらどうしようと恥じらって、用心してほしかった。そうでないと、もう阿国は舞台に戻れなくなってしまう。まだ今日はあと一回残しているというのに、これでは後ろ髪を引かれるどころではない。
     ──離れがたい…。
     可愛い、とどうしようもなく思ってしまう。悶えてしまいそうな愛おしさしか溢れてこない。このまま抱きしめて、服の感触や残り香など虚しいものではなく、阿国自身を感じさせて眠らせてやりたかった。
     しかし結局は、今は叶わない願望だ。阿国はせめて、起こしてしまわないよう軽く髪に触れるだけにする。さらりとした繊細なそれを一束掬って、口付けるだけで辛抱した。
     その後肩からずれた上掛けを直してやって、もう平時のように色良く戻った顔色だけ確認する。そして買ってきた饅頭の包みを置くと、すごすごとまた宿を後にした。昼下がりの陽光がやけに眩しかった。
     果たして夕刻の頃、七緒は宿でどんな体勢で待っているだろうか。土産を置いてきたのだから、阿国が一度戻ったことにはすぐ気付けるはずだ。ならば見られたことに当然思い至り、きっと蒼白か赤面か慌てるに違いない。
     ──何と言ってやろうか。
     幾ら恋仲といえど、気を緩めてなんでも明け透けにしてはいけない、と教えてやるのも悪くない。揶揄って、構い倒して、お互いの淋しさを埋め合って──。
     そこでようやく微かな悪戯心が湧いて、阿国はひっそりと笑む。それで少し晴れた気分をこの後の舞台に向けつつ、また夜を楽しみにする。
     重かった足取りは、いつの間にかほんの少し軽くなっていた。
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    k_ikemori

    DONE遙か7_長七未満。花吐き病にかかった長政様。あのお口からゲホゲホ花を吐いてもらいたかったんや…ケホリ、
    ここの所、喉の奥に何か引っかかるような感覚を感じていて長政は喉に手を当ててさすると柳眉を顰める。
    戦国の世に戻り次第、薬湯を煎じるように申し付けようと決め、長政は目の前のコップへと手を伸ばす。そこから香る芳しい匂いを肺一杯に堪能し、喉の奥へと流し込んだ。
    各々が好きに過ごす束の間の安寧の場。
    ここは令和の世の天野家。そして手の中には龍神の神子手ずから入れてもらったコーヒーがある。
    長政がこれを気に入っていることを知った七緒がこの家に来るたびに、気遣うように入れてくれるこのコーヒーの芳しさと甘さに顔の強張りが緩む。
    (フン、らしくもない)
    そう思いながらコーヒーを一口喉の奥に流し込むと同時に再び、ケホリと咳が出た。
    「…まったく」
    「長政さん?」
    ちょうどリビングへ現れた七緒が長政が零した呟きと咳に反応するように小首を傾げて声を掛けてきた。
    「今、咳してたようですけど風邪ですか?」
    「心配性だな、神子殿は。なに、少々違和感がするだけだ」
    くつくつと笑い長政は尊大に手を振る。
    その様子に納得のいかないように怪訝な眼差しで覗ってくる七緒は、でもと食い下がる。
    「風邪を侮ってはいけま 1692