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    秘みつ。

    @himi210

    @himi210 小説 / 毎日更新12:00〜21:00 / 凪茨右茨ジひジ▼感想質問お気軽に📩 http://bit.ly/3zs7fJw##ポイピクonly はpixiv未掲載ポイピク掲載のみの作品▼R18=18歳以下閲覧禁止▼##全年齢 for all ages▼連載一覧http://hi.mi210.com/ser▼連載後はpixivにまとめ掲載http://pixiv.me/mi2maru▼注意http://hi.mi210.com/guide▼フォロ限についてhttps://poipiku.com/19457/8988325.html

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    凪茨▼風邪をひいた茨を看病する凪砂
    リクエストありがとうございました

    凪茨リクhttp://hi.mi210.com/718_22

    ##凪茨
    ##全年齢

    看病看病

     恋人。
     いえ自分は決して閣下とそのような関係ではありません、主人と下僕ではありませんか、愛している、など、確かにそういいましたが……やはり、そんな不敬な感情を……。
     頭の隅で、弁明をずっと考えてしまっている。
     愛している。たしかにそう伝えてしまった。そうしてまた閣下に、自分たちの関係を再定義されてしまう。
    「……これからたくさん、恋人らしいこと、していこうね、茨」
     そうやわらかくわらう閣下が、あまりにも美しくて、俺はなきそうになってしまった。決して見つからないように、心の奥でそれをあふれさせる。
    「自分は、……」
    「……大丈夫、私も初めてだから。二人でゆっくり、探していこう」
     閣下がそういって俺の薔薇色を撫でる。それが温かくて、たしかに冗談ではないと、俺に教えた。
    「……はあ」
     それを思い出しながら、俺は持ち帰りの仕事をこなしていた。そればかりを意識してしまって、体がポヤポヤする。脳の半分を占領されている気分になって、なんだかぼうっとした。
     いけない、浮かれている。
     俺って、こんなことで浮かれるんだなぁ、と深夜の俺は自分を俯瞰してそう思った。
     閣下は今何をしているだろう。
     夜のしじまに、ひそやかに、かれを求めた。

     ***

     しくじった。
     なんだかおかしいと思ったら完全に熱がある。それに喉が痛い。こえがかれている。咳も出る。
     風邪。
     体調管理には十全に気を使っているのに、どうしてこうなったのかわからない。
     熱だけならまだしも咳が出るなら周りに迷惑をかけてしまう。薬を早々に飲んで、俺はベッドに倒れた。
     くらくらする。各所に連絡を入れる。仕事先、学校、レッスン講師、それから――。
     閣下。
     閣下に食事を作れないことを詫びて、レッスンの変更、同行者の変更を伝えて……。
     自分は平気ですので、これは万一のための休養ですから、気にしないでください――と、念じるように記した。
    「あつい」
     マンションのベッドで、治まらない熱にうなされながら目を閉じる。
     閣下は今何をしているだろう。

     ***

     しゃりしゃりしゃり、と綺麗な音がした。それがなんだかわからずに、でも、なぜだか安心してしまう。
     目を開けると、隣に閣下が座っていた。
    「閣下」
    「……おはよう茨、どう、体調」
    「へ、平気であります」
    「……熱がまだ八度あるのに?」
    「いえ、ですが」
    「……ゆっくりやすんで」
     閣下はしゃりしゃりしゃり、と、リンゴをすり下ろしていた。すりりんご。どうしてだかわからない。
    「……風邪の時、すりりんごを食べると、元気になったってつむぎくんがいってた」
    「はあ……、閣下、自分はいいですから……伝染します」
    「……風邪、うつしたら治るって」
    「閣下」
    「……まあそれの原理が不確かなのはわかってるよ、茨」
     そういって閣下はぬれタオルを絞って、俺の額に置いた。きもちいい。
    「……発熱しているから冷やす。わかりやすい看病」
    「ありがとう、ございます……」
     気が付けば氷枕を敷かれていた。心地よかったのはこのおかげだ。
    「……すりりんご、できたよ。茨、起きられる?」
    「はい、……」
     閣下に抱きあげられて、起き上がる。それだけでくらくらする体は、完全にダメになっている。閣下は俺の頭を撫でて、くちにスプーンを押し当てた。
    「じ、ぶんでたべられます……」
    「……愛しているの形って、きっとこう」
    「あう」
     リンゴの甘さと酸っぱさが、体にしみていく。閣下の上手な食べさせ方に、俺は抗えなかった。
    「……大切にしたい、愛って、そういうもの」
     弱っているからだとおもう。その言葉に、体がドキドキした。閣下はやさしく俺を甘やかす。甘やかして、大切にして――俺が持ちえなかったやさしさを、注いでくれる。
     それにおぼれたくなる。
     おぼれたらいいのに、それがこわい。
     なぜって――失われるかもしれないものだから。置き去りにされるかもしれないから。捨てられる、かも、しれないから。
     ああ、俺はきっと、閣下を失ったら、死んでしまうんだな、とぼんやり思う。
     愛している、確かにそうだった。俺にそんな陳腐で平凡な感情が備わっているなんて思ってもみなかった。俺は認めたくないのかもしれない。普通になりたくて、なりたくない。その二律背反がいつも体の中にある。普通なんてないと、いいあったあの日がいつも心の中にある。
     看病を、こんなに愛を注いで、されたこと、なかった。
    「……茨」
    「あ」
     閣下の吐息を感じて、ぬれたくちびるに触れたのは、たしかな弾力だった。
     初めてのキス。
    「閣下!」
    「……ごめん、衝動がおさえられなかった」
    「だめであります! こら」
    「……風邪、うつしたら治る」
    「それは嘘です!」
    「……でも、茨が元気になってよかったな」
    「それとこれとは……」
     ぎゅっと抱きしめられる。くらくらする体の奥から、どくっどくっと心臓の音が響いていた。
    「……早く元気になりますように。茨とごはんを作れますように」
     やさしい匂いに包まれて、その体温が切なかった。
     この人を愛していると、教えられる。
     自分を普通にしてくれる、愛しい人を、自分は。

    Request
    根詰め過ぎて発熱してしまった茨くんを半強制的に休ませて看病する凪砂くん。
    いつも忙しく頑張っている茨くんを優しく甘やかす凪砂くんいてほしいです。看病などは日和くんや同室の人に色々聞いてたらいいな…と思います☺️
    (公式では風邪なんか引きそうもない茨くんなので余計見てみたいです)

    (220905)
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