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    とある家族の晩餐会サイドストーリー

    《もう1人の傍観者》《??年前のあの家》



    「どうか気に病まないで下さい。貴方の仕事の事を考えればこんな赤ん坊なんて連れて行けないですよ。まあ、仮にも姉さんの子どもだから俺が責任持って施設に預けます。良いとこでは無いかもだけれど。」

    『ごめんな……何から何まで押し付けるような形になってしまって…』

    「ここには帰ってくるんですか?この家は残されるんでしょう?」

    『そうだな…処分しようとも考えたが、俺たちにとっては思い出の家なんだ。だから戻っては来るだろう………けどその子とは二度と会わないつもりだ…けど…赤ん坊からしたら俺なんかと一緒に居るよりは幸せだろう…』

    「それを言ったら___」

    俺は口を噤んだ。というより興味なかったのだ。他人の家庭の事情なんて心底。この人が選んだ事も。これから選ぶ事も

    『じゃあ行ってくる。どうか2人とも幸せにな』

    その人はその大きな手で俺と赤ん坊の頭を撫でる。無責任な事を善性のように平然と言ってのける馬鹿げた姿はこの人の妻である俺の姉にそっくりだった。出来れば二度と会いたくない。だってこの一家のせいでいつも面倒な事に巻き込まれるんだ。これ以上関わるとなんだかもっと面倒に巻き込まれる予感がする。

    「ふふ、大丈夫ですよ。行ってらっしゃい。ラミアさん」

    子供は親を選べないのに親は子供を選べるんだ。そんなことは俺が1番知ってる

    彼は小さなアンジェロくんを抱っこして背を向けて去っていく。小さな彼は母親が死んでも父親と共に居れて幸せそうだった。

    でもアンジェロくんはきっとラミアさんを選んでいる。それが例え破滅だとしても_そんなところが………まあ、これもどうでもいいか。

    __


    ____

    あーほらめんどくさい。

    死ぬとか生きるとか多分当事者の俺より他人が困るんだよなぁ。

    まあ、強いて言うなら平穏が欲しかったな。

    俺と1番縁遠いけど。

    あの時抱えていた赤ん坊と変な女に殺されたとか、ウケる。まあ、死んだら仕事出来ないし仕事しなくてもいいよね?

    じゃあ、いっか…みんな頑張れ。
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