サマー・ソルジャープロローグ
そろそろ部屋へ戻り、宿題をしなければならない。その前に喉を潤して一息つきたい。
麦茶をグラスに注ぎリビングへ。なんとなく音が欲しくなり、普段ならあまり観ることもないテレビを点けた。バラエティ番組か、芸人と思しき出演者が宣伝の後に話すと予告されている。あまり興味はないが、手持ち無沙汰を潰すにはいいか。ぼんやりと眺めていると、映像が切り替わった。
雲ひとつない青い空に、どこまで続く真っ白い砂の道。そこへ、向こうから一人の人物が歩いてくる。
俺はあまり芸能人とやらを知らない。ゆえにその人物が誰なのかは、遠目ではなおさら判らなかった。まあ、誰でもいい。そう思いながら眺めていると、テレビはその人物を大きく映し出した。
3910