オメガバ刹眞 出会い今日は交流会の日。全性別共学の学校がこのオメガだけの場所へやってくる。閉鎖的な空間にならないよう、いつか外へ出ていくために世との繋がりを持つことが目的だ。そう、いつか僕も向き合わないといけないんだ。でも、まだ、頭も心も中は空っぽのまま。
この先の事なんて、とぐるぐる考えだして、また気分が悪くなった。
みんな交流会に行っているから、中庭には誰もいない。お腹の底が気持ち悪い気がして、花壇の側でしゃがみ込む。
「こんにちは」
すぐ側で声がして、ばっ、と顔をあげると、あの時見た人が僕と目線を合わせるようにしゃがんでいた。
びっくりして声も出ない僕を気にせず、白い人は喋り出す。
「ここ、いい場所だね。木も花もたくさんある。…きみも、植物、すき?」
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