有意義な時間「鍾離様……もうだいぶ日が昇っています……」
「そのようだな」
「お、起きないのですか……?」
「今日は休みだ。お前とまだこうしていたい」
「先程もそう仰ってましたよね」
「つまりまだ起きないということだ」
今日は日曜日で、魈のバイトもなく二人とも休みの日であった。鍾離の部屋で一夜を過ごし、ずっと身体をくっつけていたようなものだが、朝になっても鍾離は腕に魈を抱いたままだった。
「朝ごはんは……」
「お前はいつも食べなくても良いと言っているだろう」
「洗濯は……」
「洗濯機に乾燥まで任せておけばいい」
布団から起き上がる口実を即座に潰されていく。そればかりか腕の拘束が強くなった。出ていこうとする身体を後ろから抱き締められている。
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