ジャバウォックは咆哮する「別れよう、類」
その言葉は予想以上にすんなりと口に出せた。
声は震えていない。”いつも通り”を完璧な仮面として被り、オレは滑らかな口で別れるべき理由を口にしていく。
「――わかったよ」
そうして、予想以上にすんなりとした返事でもって、恋人の類から同意をもらえたのだ。その時の類も”いつも通り”の顔であれば、オレは自分の選択が間違っていなかったことに内心安堵していた。
オレと類は二か月もの間、恋人関係にあった。
きっかけはオレからの告白であり、類が好きだと気づいてから一週間も練った言葉でもって、オレは類に愛を伝えたのだ。
「えっと……」
だが、オレが全ての愛を吐き出し、満足な心地で類を見た時――オレは過ちに気づいた。
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