夢の続き、或いは始まり『アイドルになろう』
別にデュースは最初からそう思っていたわけではない。プライマリースクールの頃、母と街で買い物をしていた時にプロダクションから声を掛けられたのが始まりだ。キッズモデルの勧誘だった。
大手のプロダクションだったが親心としては不安しかない。ただ、母子家庭で生活があまり楽ではないことをデュースは知っていた。母との生活が少しでも楽になれば、とデュースは自分でその道に入ることを決めた。
とはいえプロダクションに入ればすぐに仕事が来るわけではい。幼いながらもデュースは整った顔立ちをしていたが、我が強くなければすぐ埋もれてしまう。運良くとあるブランドの専属キッズモデルとして契約をとることができたのは、実力というよりは運だった。
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