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    mct_ichi

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    ワードパレットより12「チョコレート」
    ・誘惑
    ・甘い香り
    ・舌を絡める
    を使って明石×女審神者でちょっとえっちなSSを一つ。

    直接表現はないですが、苦手な方はご遠慮ください。

    チョコレート 寝起きだか朝にビターなチョコを食べると健康やら美容やらに良いらしい。
     今日も朝からベッドサイドに置いてあった小さなケースからチョコレートの包みを取り出し、そっと口に含んだ審神者のことを寝転がったまま眺めた明石は欠伸を噛み殺す。
     ぼーっとしたまま枕を抱きしめるような格好で目を閉じていると、まだ寝ていると思ったのだろうか、審神者は明石を起こさないように気を付けながらベッドを抜け出そうとする。
    「どこ行くんですか」
     立ち上がる寸前、マットレスの上に残されている手を握って引き寄せる。
    「起きてたんですか?」
     驚いた顔で自分の上に覆いかぶさるような格好になっている彼女の口から、チョコの甘い香りがする。甘いものが特に好きなわけではないが、これはなんとも美味しそうだ。
    「それ、誘惑してはります?」
    「え?」
     なに? と困惑したように彼女は自分の服を見下ろす。胸元がはだけているとでも思ったのだろうか。
    「そっちじゃなくて、こっち」
     ふに、とぷっくりした唇を親指でつつく。
    「えらい美味しそうな香りがしてますやん」
     そう言いながら、彼女の頭を己に近付けるように後頭部に触れた手に力をこめる。
    「全部食べちゃいたいくらいやわ」
    「え? チョコ? チョコですか?」
    「じゃなくて」
     わかってるくせに、と軽く笑って彼女の唇を甘噛みする。戸惑ったように薄く開いた唇を割って舌を侵入させた。彼女の口の中はほろ苦いチョコレートの味がする。舌を絡めると、それが少し甘くなったように思えた。
    「ん……っ」
    「それ、目覚まし効果あるんでしたっけ?」
     ちゅっと唇を吸って離し、彼女と体の位置を入れ替える。
    「おかげさまで、目ぇ覚めましたわ。ほら、こっちも元気や」
     腰を押し付ければ、審神者の頬が赤くなる。視線がとろりと溶ける。
    「主はん、そういえばこのちょこれーととかいうお菓子、昔は媚薬として使われてたとかって話、知ってますか?」
     知らない、と審神者は首を横に振る。
    「効果抜群やないですか。これ、このまま起きるのは無理や。落ち着かせな部屋から出られませんな」
     ちゅっちゅ、と何度も彼女の甘い唇を味わう。
    「責任、とって貰いまひょか」
     もう一度深く口付ければ、彼女は抵抗も見せずに明石を受け入れた。
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    mct_ichi

    PAST先日開催されていた、利き福さに小説企画に提出した作品です。
    少し書き足しました。自分の癖な表現方法とか削ろうとしてた部分も、いつもの書き方に直してあります。
    投票に参加してくださったから、見抜いてくださった方、ありがとうございました!
    利き福さに寄稿話 テーマ 「雨」 雨だ。雨が降っている。運悪く、今日は傘を持っていない。
     いや、用意はしていたのだ。していたにもかかわらず、玄関先まで持って来ておいて、靴を履くのにその辺に置いて、そのまま忘れた。
     今日私が出掛けることを知っている子も何振りかいる。でも、迎えなど頼んでいないから、待ってても誰も来てはくれないだろう。
     本丸から少し離れた場所にある転送装置のところから、小降りになったタイミングで駆け出し、建物を目指す。本降りになる前、そしてたいした距離ではないとはいえ結構濡れてしまった。玄関まで走るのは諦めて一番近い軒先に駆け込んで、頬に流れ落ちる雨粒を拭おうとした。
    「……大丈夫かい?」
     突然背後から掛けられた声に驚いて振り返る。そこに、心配そうな顔でこちらを見ている福島さんがいた。彼も花を摘んで戻ってきたところらしく、腕いっぱいに花を抱えている。雨の匂いに混ざって、生の花の青い香りがする。
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