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    @RABPOLI

    絵文字うれぴです

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    理+(左+銃) みたいな散文

    .理鶯の寝床ではいつもBGMにラジオが流れている 


    左馬刻と銃兎が泊まりにきた夜も、すっかり寝入ってしまった二人の横で『中王区・言の葉党を徹底解剖!』などと安っぽいタイトルコールが流れていた 案の定目新しい情報はなかったが、しかしチャンネルを変える理由もなく耳を傾けていると、もう少しだけ音を絞れないかとすまなそうに口を開いたのは先程まで寝ていたはずの銃兎だった 元より眠りを妨げるほど大きな音ではなかったが、その通りにするとありがとうと言ってまたすぐに目を閉じる 翌朝、睡眠時は無音を好むタイプだったかと聞くとそういうわけでもないらしく、むしろ静まり返った森では多少仲間の気配が感じられた方が落ち着く、それに理鶯のスペースなんですから. 引き続き流してくれて構いませんよ とコーヒーを啜る
    誤魔化しや嫌味は含まれない、素直な返答のように思えた かといってこちらの突然の問いに疑問を抱いてないことからも、昨日のあれは寝ぼけて出た言葉ではないらしい 少しの違和感はあったものの、それ以上気に留めなかった あれからまた二人がやむを得ずベースに泊まることになった日があったが、変わらずラジオは流していた 銃兎は何も言わなかった そしてもう何度目か、世話になっていいかと頼まれて快く了承したとある夜
    二人分の寝息が聞こえる ノイズの向こうで、淡々とした声が事前に用意されていたのであろう原稿を読み上げていた 某月某日、某所にて つらつらと、まるで架空の出来事かのように語られる凄惨な事件の数々だ 忘れる勿れ、あなた自身と あなたの大切な人をも蝕むドラッグの恐ろしさをーー「……りお、」小さくて掠れた、だがクリアな声が、空気にのって確かに耳へと届いた 夢と現の間にいるかのように長い睫毛がゆらゆらと揺れていた
    暗闇にぼうっと浮かんだ赤い瞳は訴えるようにこちらを見据えている その口から言葉が発されることはなかったが、頷くことで返事をしてそっとラジオを切る 唸りながら寝返りを打ち、肺で息を大きく吸って吐いたあと元の通りに規則正しい寝息をたて始めたのは、奥で横になっているもう一人の男の方だった
    ふ、と思わず笑いが溢れる 微かな息遣いで、男がなんだよとでも言いたげに眉間にシワを寄せたのが分かった 夜は長いが、いつまでも続くと思っていたらあっという間に明けるのもまた夜だ そろそろ小官も眠るとしようと言って灯りを落とせば おやすみ、と左馬刻が呟いた


    そんなお前たちに淹れよう、
    リンデン・カモミール🎵
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