そんな遠慮があるものか!松野カラ松(2X歳)、とある企業のヒラ社員。
仕事は事務、総務、経理。
ちいさな会社では、なんでもこなさなくてはならない。
仕事は、嫌だ。はたらきたくない。それでも何とか、生きるために出勤している。
そんな彼には、いまとても重大な悩みがあった。
勤労に疲れた体を癒す、神聖なる静寂のひと時。
闇の中、安らかな眠りを妨げる邪悪な存在によって不自然な体勢を強いられているのだ。
首は中途半端に持ち上がり、左肩を巻き込むように下側にして横たえている体。左脚は重くるしい軛によって抑えつけられており、右脚はどうにかバランスのいい場所へ落ち着こうと僅かな時間の間に何度も位置を変えていた。
背中にはずっしりと重くのしかかる、大きな生き物。
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