欲の証明付き合い始めてから想い人の態度が変わることなんてざらにあることだとは思う。これまでとは異なる関係性を歩み始めるのだから、多かれ少なかれの変化はあるだろう。それが一層恋を燃え立てさせるのか、はたまた冷や水をかけるのかは置いといて。けれどもこの方向性は予想していなかったなと、差し出された手を見ながらぼんやりと考えた。

「どうした」

　どうしたもこうしたもあるものか。カブルーは健康なトールマンの青年だし、ほんの一階分の店の階段を下りるのに手を貸してもらう必要はない。そう言ってこの手を跳ねのけるのは簡単だが、恋人が見せた善意の甘さに免じてカブルーは差し出された手を取った。

　付き合い始めてからミスルンの様子がおかしい。

11話半分(え？半分…？)顧昀という人はもともと慎ましい性格を持って生まれたわけではない、幼少期の無謀さや軽はずみな言動はすでに西域黄砂に研磨されたとしても、内在的な本質は依然として犬の行動を変えることができないことと同じである。彼は不遜で、態度は傲慢、ここ数年来他人に褒められても叱られても、彼は心中に留めたことはない。

しかし早朝、仮の名を「沈十六」という顧昀は台所でだらだらと酒を飲んでいたが、急に沈易から長庚が彼のところに来るということを聞いた時彼の心情は何とも言えないものだった。

顧昀は生まれて初めて恐縮し、自分の不器用な耳を何組か再生できないことを恨んで、長庚が良いか悪いかを書いているのを一つ一つ聞いて、自分の力が足りないので、子弟を誤らせるのではないかとひそかに心配している。