連日大量に出される課題。手に負えないグリム。
当初からは随分と減ったが、未だに続く嫌がらせ。
モストロ・ラウンジでのアルバイト、購買部のお手伝い。
―…疲れた…。
全く言うことを聞かない足腰と、滝のように溢れてくる涙。それはまるで、張りつめていた糸がプツン、と切れたかのよう。
心も身体も限界を超えてしまい、人気の無いところで蹲っていたところに現れて、俺は何も見てねぇよ、とぶっきらぼうに言いながら、誰も寄り付かない空き教室に、手を引き大股で歩きながら連れていってくれた人。
小走りになりながら廊下を歩き、その大きくて広い背中と、夕焼けに輝く銀色の髪を見つめた。
『…ジャック、ありがとう。』
涙が溢れて、喉が詰まって、思ったように声が出ないままお礼を言ったから、きっと聞こえていなかったかもしれない。
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