野生の兎の兎ちゃんと人間の空が一緒に暮らす話タイトルで頭がおかしくなりそう。野生の兎の兎ちゃんて何

本やドキュメンタリーの番組で、アンバスの群れに一匹だけいる孤高の兎耳少年の兎ちゃんが寂しく見えたからって、わざわざ現地に行ってウサ耳カチューシャ付けてから兎ちゃんに「オレは君の仲間なんだよ、空って呼んでね」ってお友達になりに行った空。
ここまで読んで何言ってるのか分からないと思った人は多いと思うし、こっちも何言ってるのか分からなくなってきたけど、とりあえず書いてくね。
明けましておめでとうございます。兎年ですよ。🐰

最初こそ兎ちゃん、見て数秒でウサ耳空が人間だって匂いで気付いて、人間に馬鹿にされてるって思って怒りながら
「あっちへ行け！」「お前みたいなお気楽そうな奴に同情されたくない！」って空が何言っても突っぱねて取り合わなかったけど

大きなバックパック背負って、アンバス達と新鮮な牧草地を求めて森の方へ進んでいく旅で、ウサ耳付けた空も隣でリュック背負って歩きながら兎ちゃんに話しかけ続けるし、ほとほと困るほどうざったく思った兎ちゃんが空を撒こうとしても、ずっと傍でついてくるので撒くに撒けずに、そのまま北上する旅にズルズル連れてきてしまって
ある夜、兎ちゃんが熱を出してしまったら空が夜通し看病してるし、栄養価の高い消化の良い草を煮たものを兎ちゃんに食べさせて「兎タスは一人じゃないよ、大丈夫」って元気付けて
兎ちゃんが元気になったのと入れ違いに今度は空の方が慣れない旅の疲れで熱を出してしまって、鬱陶しい人間を捨てられる絶好のチャンスに空を放って置けばいいものの、そんな人間の看病を受けた手前むやみに借りを作るわけにもいかず、やむ無く空を看病することになるし

旅してる中で空がよく夜ご飯に煮てた穀物みたいなのの柔らかく煮たやつを飲ませて、お布団で一緒に眠って震える空の身体を温め
「元気になったらさっさと人間の世界へ帰れ」って文句言いながら毛布の中で手を繋いでいるうちに朝になって元気になった空。
迷惑かけたし、兎ちゃんに言われた通り人の世界に帰るよ。って兎ちゃんと別れようとするけどめちゃくちゃな方向に行こうとするので、ますます空を放って置けなくなってくる兎ちゃん。

結局、兎ちゃんの故郷の森まで空を連れ帰ってしまって、そのまま木のウロの家で一緒に暮らしてしまうし、空に「藁の上で寝ろ」って言うけど結局ベッドで一緒に寝てる。
兎ちゃんの友達（兎ちゃんは別に友達じゃないと思ってる）から新しい森の住人として歓迎されるけど、みんな兎ちゃんにこっそり
「空って人間の匂いするよね？」「あの子本当に兎タスとおんなじウサギなの？」って聞くし、兎ちゃん尋ねられる度に
「あいつは俺の母方のイトコのウサギだ」「俺と似たような顔してるだろ、人間じゃない」って空のこと庇っちゃうし、空のウサ耳がボロボロになってくると、空が寝てる間にこっそり裁縫道具でチクチク縫い直したりしてる。
空のツギハギになったウサ耳について
「旅の途中で凍傷になったんだ、傷つくからあいつには何も言うな」って周りに話してるし、みんな空が本当は人間だって気付いてるけどそれ以上は何も聞かん。

秋になったら長い冬の準備に追われて兎ちゃん食用の草を貯蔵し始めるし、空も果物やナッツ類で保存食作り始める。
家の床にたっぷりの藁を敷いて、ベッドの毛布や上着も暖かいものを用意してるし、貯蔵庫の中にたっぷり詰まった食料と暖炉の側に積まれたたくさんの薪を見て、珍しく嬉しそうに空にもたれ掛かる兎ちゃんと、兎ちゃんに甘えられて嬉しい空。

冬籠りの前に森の友達から、冬の退屈しのぎに「これ空にあげようと思ってたんだ。空は人間の文化に詳しいから」って一冊の分厚い図鑑をもらって、ページを捲って急に涙を流す空と泣き出した空を見てギョッとする兎ちゃん。

人間の世界が恋しくなったのかと思って不安になるし、空が抱きかかえて眠ってた図鑑と空が持ってきた方位磁針を勝手に持ち出して、家の近くにこっそり埋めちゃう兎ちゃん。
兎ちゃんはずっと、空は人間の世界に帰りたがってるって思ってるし、あとで空から「あの図鑑に兎タスの生態が詳しく載ってたんだ。あの図鑑は兎タスと出逢うきっかけを貰った本だから」って教えられて急に解決するやつ。

本格的に訪れた冬の間は二人で家に籠って抱きあったりお話したり毛づくろいしてるけど、吹雪が止んだら色違いの分厚い防寒着で雪に足跡付けて、雪の中で残ってる食材探しや、冬眠しない森の友達を見つけて挨拶したりしてる。
一緒に暮らしてる空が作ったナッツの蜂蜜漬け盗み食いしてたせいで、兎ちゃんが性格的な意味でも身体付きな意味でも冬の間は少し丸くなってるし、夏になったらまた痩せてる。