タイトル…(悩) ソノーニ町に着いたアッシュは、最初に会合の場となった町で一番大きな道具屋へと向かうことにした。片田舎とはいえサイショ村とは比べるべくもない規模の集落は、夜の深さなどまるで意に介した様子もなく賑わっている。往来する人々の多さに、アッシュは静かに焦りを募らせた。
少し前に出張販売でソノーニ町に来たときのことを思い出す。あのときはムラビトとマオとアッシュの三人でこの町に足を運んだ。魔王を倒す旅の途中、サイショ村の次に立ち寄った町でもある。まさか宿敵だった魔王と共に訪れることになるとは人生何が起きるか分からない。そう感慨深く町並みを見渡した記憶が呼び起こされる。まぁ、雇用主探しに一人で来ることになるとも思ってなかったけど。慣れた足取りで酒場に向かう集団を避けて歩きながらアッシュは思った。こんなときでなければ一杯引っ掛けて帰るのに、とも思った。
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