三ヶ月の恋人番外Ⅲのおまけ 江澄と別れたとたん、口うるささが妙に恋しくなった。
一人でいることに慣れてきたはずが、昨日今日ですっかり振り出しに戻されてしまったようだ。
誕生日はどうしても両親のことを思い出して、ちょっとばかりセンチメンタルになる。幼い頃の記憶は曖昧だ。でも魏嬰は両親にとって一番に愛されていたのだと思っている。
その証拠に、江おじさんがくれた写真に写る魏嬰は、いつも愛おしそうに見守られていた。しかし、魏嬰を無条件に愛してくれて、成長を見せたい人たちはもうこの世にいない。
もちろん江家の人たちにも愛されていると思う。けれど、優しくされると、同時に過去に受けた呪いを思い出すのだ。
――君か。不倫相手の女性の忘形見というのは。
1519