Don't touch my rip! 夜。夜が来た。
大地に住むであろう殆どの生き物が眠りにつく、昏い時間。疲れ切った身体を休める為に穏やかに過ごしても、萎んでしまった精神を少しでも奮わせるのに夜通し騒いでも、夜の帷はその全てを隠して包み込み、そして許してくれるだろう。
嗚呼、夜と言えば。
旅人の夜の歌、という詩がある。リターニアのとある詩人の作品で、たった八行程の短い詩だが数多の言語で翻訳されている位には有名な詩が。
小鳥が森で沈黙し、眠りにつく。
そうして待っている内に、やがてお前もこの小鳥のように憩うのだ。
全文ではないが詩の一節、その訳を頭の中だけで誦じる。
そう、夜は憩うものだろう。一人で過ごそうとも、愛しい誰かと共に過ごそうとも。それが自らの休息になるのであれば、前者でも後者でもきっと構わないのだ、と。
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