ホー炎短編詰め合わせ【夕飯】
二人が、秘密の隠れ家を構えてしばらく経つ。
彼らがお互いを人生のパートナーとして共に生きると決めた事実は、世間にひた隠しにしたままだ。家族全員が納得した上での円満な再スタートであるし、二人の関係を恥じる必要がないのは言うまでもない。とはいえ、意地の悪い民衆や熱狂的なファンからの、好奇の目は避けたかった。
「エンデヴァーさぁん」
ホークスはソファに寝転んだまま、台所に立つ愛しい人の背中に呼びかけた。
「……」
とんとん、シューシュー。包丁で野菜を刻む音、鍋で何かを熱する音が柔らかく聴こえてくる。いい匂いも漂ってきて、今日の夕餉は俺の好きな鶏肉を使うんだなとホークスは思った。
「エンデヴァーさぁ~ん」
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