灰簾石と紅柱石 「賢者様!見てみて、こっちに可愛い雑貨があるよ!」
手を繋いで西の国の豊かの街を歩くふたつの影。片方の影の持ち主は髪を風に靡かせ、もう片方はひとつに編み込んでいるようだ。仲良さげにお揃いの、色違いの服を着て、髪飾りを付けた2人はショーウィンドウに並べられるテディベアやブレスレットを指さし興奮気味に対話しながら歩いており、見かけた人々の内数名は穏やかに笑いながら見守ったり、拝む姿が見られたが2人は気付いていない様だった
「クロエ、このお店、ボタンや装飾品も売ってありますよ!」
「本当だ!ねぇ賢者様、このお店……」
「もちろんです!」
クロエが問い終える前に晶が返答すると一瞬びっくりしたような顔をしてから笑い声をあげる
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