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    rikotta1230

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    rikotta1230

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    センシティブになってないセンシティブ
    大入り袋、岳遥、ざくみこ

    王様ゲーム「なーなー!王様ゲームしようぜ!!」

    大内達の家のリビングで各々寛いでいた中で、当然立ち上がった榴が声高々に提案した。
    その手にはほろよいと書かれたアルコール飲料が握られており顔が首元まで真っ赤にしていた。

    「榴兄ちゃん、面倒な酔い方してますねぇ」

    なんて苦笑した岳は遥と大内の3人でジェンガをしていたが立ち上がり、慣れた動きで台所の水を取りに行き一旦そこを離れた。
    そして、取り残された大内、入縄、遥、尊は心底面倒なものを見る目で榴を見ていたがまず捕まったのは大内だ。
    肩を抱き寄せ耳元で何かを囁かれると弱いそこに触れる空気で若干震える大内と楽しげな榴を見て、至極つまらなそうな顔をする入縄とそれを見ないようにする遥を他所に誘い文句を並べてる様子で

    「……仕方ねぇな」

    何を吹き込まれたのか、まずは大内が折れてしまいそれに呆れ顔の入縄を引きずり込もうと

    「いいのか?参加しないと…ナナにあーんなことやこーんなことするかもしれないぞ?」

    と挑発すれば、それにはかからないと言わんばかりに眉間に皺を寄せる入縄に榴は続ける

    「それに、王様を引けば姫も好きに命令出来るんだぜ?悪くない話だろ」

    名指し出来るわけでは無いこのゲームでそのメリットはあまりないように思えるが、自身の命令通り動いて翻弄させるのは心躍るらしく、ふむと頷けば仕方ないから嫌々付き合ってやると言いたげな表情で

    「仕方ないですねぇ…少しだけですよォ?」

    そうため息をついた。
    入縄が参戦した所で、嫌な予感しかしないゲームに遥と尊は断り文句を考えていたが

    「全員参加ですよねぇ?」

    自分もこの茶番に付き合うのだから当然だという振る舞いに断りにくい空気になってしまった。
    酔っているにしては頭の回る榴の思惑通り事が進むと早速くじを作り始め、岳が戻ってくる頃にはもうゲームを始めるという流れになっていた。

    「んじゃあ、王様だーれだ!」

    酒の力で容器になった男がヘラヘラと笑いながら声を張り上げれば、1人目の王様である大内が手を挙げて厚紙に王と書かれた場所を全員に見せた

    「俺だな…んー、特に考えてなかったが……じゃあ、1番が3番の肩を揉むとか?」

    とりあえず1つ目ということもあり無難な物を言ったつもりだったが、手を挙げた人物に遥は真っ青になった。
    1番は入縄で3番は遥だったのだ…つまり、入縄が遥の肩を揉む事になる。ビクビクと相手を伺う遥に対して特に気にした様子を見せない入縄はさっさと終わらせてしまおうと遥に近づけば、肩へと手を触れ震える体を無視して緩く肩をもんでいく

    「おや?かなりカチコチですねぇ…たまにはちゃんと羽を伸ばした方が良いのでは?」

    と遥の心情も知らずに解れる気がしない肩を解していき、思ったよりも丁寧に行われたマッサージに遥は助けを求めるように岳の方を見るが、その縋る目線に気付いてないのか

    「遥兄ちゃんいつも頑張ってるっすもんね!俺で良かったら、何時でもマッサージとか疲れの取れるご飯とか作りますよ!」

    と見当違いな言葉を並べるが、好意100%のそれにつっこむこと等出来ずに弱々しい「ありがとう」としか返事が出来ない。
    大内の方へと目を向ければ、こちらは確信犯なのか面白そうにニヤニヤしてるのを隠そうともしない。
    この男は遥に対して友情としての好意を持っているし懐いてはいるのだが、元々の底意地の悪さは隠せずたまに漏れ出てしまっている。
    仕方ないと溜息をつきつつも酔っぱらいは置いといて残された尊の方へと目を向けるが、予想通りシラっと我関せずな様子で無表情だし目が合えば興味がなさそうに目を細めてから、クジを榴に渡しつつそれとなく水を勧めているようだ。つまり、味方はいない。
    そうこうしてるうちに

    「うーん、全く解れませんねぇ…。ま、これくらいやれば良いでしょうか」

    誰のせいだという言葉は飲み込んでおいて、緊張で固くなった体は解れることなく入縄は離れてちゃっかり大内の座るソファへ移動して隣に座る。
    それを見届けた後に渡された水を少し飲んだとはいえ顔真っ赤にして上機嫌な榴がまたくじを回収してから、皆に配っている。
    それを引けば次は遥が王様を引いた。命令される側じゃなく安心は出来るもこの命令する側というのは別の意味で緊張するものだ、とりあえず無難なものにしようと

    「じゃあ、3番が4番をデコピンで」

    と命令したが、入縄が4番の札を見せながらにっこりと遥に笑いかける

    「いい度胸してますねぇ」

    その言葉にまた遥は青くなる。今日は厄日かなにかだろうか……そして、入縄がされる側と分かり眉間に皺を寄せる人物がいた

    「………さっさと終わらせましょう」

    そう呟いたのは尊だった。前世でも今世でも上司ツートップからの睨みに小さくなるしかないが、それを他所に尊は接待をするかのように全く痛くなさそうな触れるのみのデコピンを入縄へとして、言葉通りさっさと終わらせたが不満そうな酔っぱらいが尊の肩を抱いて

    「つまんねーの!たまにはパチコーンってやれよー!」

    と声をかけ、それにやめてくれとばかりに遥は首を横に振るが止めようとしない榴に尊は溜息をつきながら、榴の額へと先程とは違いいい音を鳴らしながらデコピンをした

    「お望み通りやってやったぞ?」

    これで不満は無いよなと言わんばかりに睨みつければ頬を膨らませながら不満げにしつつも、静かになった榴を置いといて次のクジが始まった

    「やった!俺じゃん」

    少し静かになった榴だったが自身が王の札を取れば声高々に張り上げ札を全員に見せた。面倒な酔っぱらいの命令など嫌な予感しかせず、一同札の番号を見ながら自分じゃない事を願っていると

    「2番が3番の胸を揉む!…あ、男しかいないし直な!」

    酔っぱらいの宣言通り男しかいないこの空間で何が楽しいのか分からない命令をすれば、大人しく数字を開示して選ばれたのは岳と大内だった。

    「何が楽しいのか全く分かりませんが、とりあえずさっさと終わらせましょうか」

    特に気にした素振りを見せない岳が着ていたシャツを上へと捲り、ガタイの割には薄い胸板とうっすらと割れた腹筋を晒せば、同意なのか大内が入縄の元を離れて岳へと近寄る。
    当然かのようにスンッとつまらなそうな顔をする入縄は置いといて大内は岳の上半身を眺めながら胸へと手のひらを当てて適当に揉めば

    「少しは鍛えた方がいいんじゃないか?」

    等と余計なお世話な事を口にすれば、特に揉まれてる事に反応せずに岳はうーんと唸りながら普通に言葉を返そうとしたが

    「別に俺はフライパン振れるくらいっ!……ぁ、う……っ、ふゃっ」

    大内の指の側面が突起の下側を掠った途端に自身でも聞いた事のない甘く高い意味の持たない声が漏れ出てしまい、下半身に痺れが来るようなその感覚と声に驚きつつも顔を真っ赤にすれば、適当に触れていた大内も驚いたかのように目を丸くしてパッと手を離した。

    「こ、これは…違う!…ちがっ、くて!」

    言い訳など思いつかずに言葉を詰まらせながら首を横に振るがパニックになりながら涙目になっていると、驚きのあまり目を丸くしていた遥と大内に呆れたように溜息をつきながら入縄が立ち上がりケラケラと笑っている榴の背中を軽く尊の方へと押して冷ややかな視線を送り

    「この面倒な酔っぱらいのことよろしくお願いしますねぇ」

    と、元凶を押し付ければ眉間に皺を寄せつつも命令には逆らえないのか榴の荷物もまとめて持てば、そのまま榴の腕を掴み引き摺るように尊は大内と入縄の家を後にし帰っていくのを見届けると、次に羞恥心でいっぱいになってる岳と遥へと

    「もう、遅くなってきましたし…お開きにしましょうか」

    と言外に帰れと声をかければ、遥はハッと気がついたように「お邪魔しました」とだけ言って手早く帰り支度をしていく。
    それに釣られるように岳も帰り支度すれば、2人して2人の家を後にし、残ったのは大内と入縄だけとなった。
    入縄は笑顔でいるものの感情は読めずに大内が何も悪い事をしていないはずなのに慌て出す

    「あの、俺は別にやましい気持ちとかなくってだな!命令を聞いただけで…な?」

    そう伝えるも笑顔のままの入縄は大内の手を握りしめて

    「ここと、ワタクシのお部屋…どちらがいいですか?」

    と意味深な2択をだし、大内の逃げ場を奪ってしまった。
    こうなってしまってはどちらかを選ぶまでは許して貰えないだろうと諦めた大内は、肩を落としながら

    「楝の部屋で」

    と元から決められていたであろう一択を選ぶのだった。

    一方その頃、追い出された岳と遥は無言のまま帰路を歩いていたが遥が岳の方をちらりと見て

    「えーと、あの……さっきの事なんだが…」

    そこまで言えば、途端に立ち止まった岳はクイッと遥の服を掴み少し収まった顔の熱はまた湧き上がったのか赤い顔で、遥の瞳を恐る恐るという雰囲気で

    「あの、呆れてませんか?男があんな変な声だしちゃって」

    そんな事を聞かれれば遥にとっては返事はただ一つだった

    「そんな事ない!あれはゲームだったし仕方無かった事だし…」

    そう……ゲーム中の事で気にする事はない、まあ意識してないとは言いきれないが…
    その言葉を聞いた岳は安心しきったように緩く微笑み

    「本当っすか?良かった……遥兄ちゃんに嫌われたら…って…あ、でも」

    そんないじらしいことを呟いたのだが、思いついたように声を上げれば辺りを見渡してから遥の耳元に唇をよせ

    「は、遥…さんが、そういうの、興味あったら、俺………嫌じゃないっすからね?」

    と囁いてから先程とは比べ物にならないほど耳まで赤くなり、どこかとろりとした表情になってしまう。
    これは、据え膳なのかもしれないと遥が生唾を飲み込むのも知らずに羞恥心に耐えきれなかった岳がふいっと横を向いてから手を差し出した

    「と、とりあえず帰りましょ?」

    その後のことはご想像におまかせする
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