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    rikotta1230

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    rikotta1230

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    犬猫探偵事務所
    少し大入り袋

    過去の軌跡グラりと地面が揺れるのを感じたかと思えば見知らぬ大学の前に立っていた。
    いつもの探偵事務所に居たはずだが…そう芝腹が考えていると誰かとぶつかった。

    「すみません、大丈夫ですか?」

    毎日聞いているはずの声が聞こえて顔をあげれば知っている人間ではなく、オールバックのいかにも遊んでいそうな男が立っていた。
    男はサングラスを軽く上に上げて蜂蜜色の瞳を細めれば慣れた手つきで芝腹の頬を撫でる

    「…ぼーっとしてどうかしました?」

    緩く首を傾げる男はなんだか見覚えがあるが、返事をしないと不審がられてしまうと声を出した

    「え、と、大丈夫「みけ」

    はずだが…誰かの声に邪魔されてしまう。
    振り返り邪魔をした本人を見れば、この男も聞いたことある筈の声なのに見た目が少し違う。
    ミディアムよりも少し長い髪を軽くピンで止めておりこの男もちゃらそうだ。

    「またナンパしてたのか?昨日の女はどうした」

    「ナンパじゃないよ。ぶつかっただけ……まあ、確かにこの子も可愛いけどね」

    撫でていた手を離せばクスッと小さく笑う、その様子がどこか色気のようなものを感じる。
    それよりも、この男はみけと呼ばれていた気がする。知り合いの名前と同じでよく見れば猫島と似ている気がする。
    しかし、芝腹の知っている猫島とは違い友人らしき人と話している男は身なりをきちんとしており、情けない表情もなく自信のようなものが溢れている気がする。

    「あ……わりぃ、今から病院だった。またな」

    自分を放って話していた2人だったがミディアムヘアの男が時計を見て慌てたように言うと、みけの肩を軽く叩いてからどこかへと行ってしまった。
    あの男の容姿も見覚えがある気がするのだが、現状を把握していない状況ではそれも難しい。

    「あ、すみません…話しかけておいて置いてけぼりにしちゃって…ずっとぼうっとしてるけど、大丈夫ですか?」

    こちらを思い出したかのようにみけが芝腹の方を向き直れば、優しく微笑みかけながら首を傾げる。

    「え、ああ…大丈夫」

    猫島なのではと思い浮かびはするものの、雰囲気がまるで違う……なんだか、壁のようなものがある気がする

    「そう?良かった…あ、もしかして…僕に遊ばれたくてそんな素振りしてくれてたりする?」

    そう意味の分からない言葉と共に、するりと芝腹の顎を指先で撫で顔が寄ってくる…思わず足を上げそうになった瞬間携帯電話の音が鳴り響く

    「はい」

    伸びていた手は引かれて電話に出る男の表情には軽薄さはなく、真面目な表情へと変わる。

    「○○公園で…はい、かしこまりました。直ぐに向かいます」

    そう言いながらくしゃりと髪を下ろしてからサングラスをメガネケースに直すみけは、昔に見た………

    「ごめんね、仕事入っちゃったから…今度遊ぼ」

    そう言って走り去る背中へと思わず

    「猫島さん」

    と声を掛けてしまう。
    そう、彼は……出会った頃の猫島とそっくりなのだった。


    そんな事を考えていれば、無理やり起こされたかのように目が覚める。
    がばりと顔を上げれば大内と猫島が楽しそうに過去の写真を見ていた。そう……先程会った彼らの写った。


    オマケ

    病院にて

    「風邪ですね」

    とハッキリ答えを出されたところだ。
    だるさがあり頭痛が酷かった為そんな気はしていたが、病院に着いた頃には微熱まで上がっていた。
    久しぶりにひいたそれにため息つけば、受付で会計をした後に薬局へと移動する。

    「大内サンどうぞぉ」

    今日のセフレとのお楽しみを奪われ断りのメールをしていると、少し高めの声の男性に呼ばれた。
    彼の前へと立てば思わず目を奪われる。
    そんな様子を気にすること無く慣れた動作で薬の説明をする男は、それを袋へと入れるとやっと大内の方を見る。
    じっと見つめる相手に怪訝そうにするも、早く仕事を終えたいのか会計を口にするが大内の声に阻まれてしまった。

    「なあ、あんた…何処かで会ったことないか?」

    まるでテンプレートのようなナンパに眉間に皺を寄せるしかない。
    薬剤師はなかなかの長身でどこから見ても男だ。それなのに自分よりも若い男にそんな言葉を掛けられてはからかいにしか感じないだろう。

    「はあ…病人は大人しく帰って寝る事をおすすめしますよォ」

    興味が無いと言いたげに適当に交わすがこの男は聞こうともしない。

    「……何度か会えば思い出す気がするんだ。気が向いたら俺のバイト先かインスタのDMまで来てくれ」

    そう言いながらどこからか出した紙へとインスタのアカウントと「喫茶キティ」と書いて手渡す。
    ここまでしつこいと受け取って後で捨てるなどしないとめんどくさい、大人しく受け取ると会計まで終わる。
    大内は出口へと向かって歩いていき、やっと終わったかと薬剤師がため息をついて紙をくしゃりと丸めようとすれば、大内が振り返る。

    「待ってるぜ」

    そう一言言って、何処かはるか昔に見た気がする無邪気な笑みを浮かべて
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