キレイお久しぶりです。おげんきですか。
そこまで書いて、筆は止まった。ちゃちなボールペンの先で、子ども騙しのマスコットが揺れる。小学生のときに子どもたちとラーメン博物館に行ったときの記念品だ。土産物にしては案外長持ちで、重宝している。
これを見る度に思い返すのは、博物館見学の最中に巻き込まれた爆弾事件だ。館内のどこかに時限爆弾が仕込まれている。探し出してとめてみせろと犯人は嘲笑した。
先の春にも爆弾を止めたばかりだったというのに、小さなわたしたちは広い博物館を走り回る羽目になった。知らないところで、公安やFBIも動いていたらしい。けれど、結局ヒーローのサッカーボールが恐ろしい爆弾を蹴り上げ、季節外れの花火へと鮮やかに変貌させた。たまや。工藤くん、どうしているかしら。
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